FOCBOX TENKA

最近は電動スケボーの情報をあまり見なくなっていたのだが、いつの間にかこんなものが発売されていた。FOCBOX TENKA。天下という意味なのか??それとも点火?

添加や転嫁は多分ないだろう(笑)。剛という字がなんとも印象深い。

朱色のTENKAケースの寸法は前後70mm、幅124mm、厚さは19mmとのこと。

販売サイトはこちら、Massive Stator

調べたところ、TENKAは廉価版のFOCBOX Unityであると。Unityとの最大の違いはBluetoothモジュールが付属していないことである。そしてVESC Toolと互換性がありVESC関連のソフトがそのまま使える。FOCBOX Unityアプリとの互換性は言及されていない。おそらく使えないと見てよいだろう(?)。← すいません。FOC BOX TOOLと完全に互換性あります。FW23.46使えます。

VESC5にも対応している。

↑裏はこんな感じで配線剥き出し、黒いゴム状のコートでベッタリとコーティングしてある。

アンチスパークは内臓で電源ボタンも付属、そこはUnityと同じように使える。コネクタ類もVESC基準に則っておりUartもある。つまりmetrのようなブルートゥースモジュールを別途追加すること自体は可能だ。

私にとって最大の焦点はそこであり、TENKAを使うにあたりmetrは是非とも追加したいと思う。しかしなぜTENKAはブルートゥースモジュールをデフォルトで搭載をしなかったのか?

↑ なんだかんだで復活?している元Enertionのジェイソン氏いわく、そういうことらしい。むしろVESCにおいてこれが慣例通りなのかもしれない。Unity以前はBTモジュールを自分で別途用意するのが当たり前だった。

「ほとんどの人は、セットアップが終われば構成をいじらない」

実際そうなんですよ。しかし自作機が完成してシェイクダウンしたとき、けっこうゴチャゴチャと設定を試す。時間にして10分程度であるがそのときにスマホで気軽に設定を変更できるのはやはり楽チンである。わざわざエンクロージャーを開けてUSBケーブルをノートPCに繋いで〜、とかやりたくないわけです。

ライディングスキルがある程度定着しているならたしかにそれ以降いじらない。しかしまだ発展途上であるライディング初心者はしばらくはチョイチョイと設定をいじることになるだろう。VESCを使う初心者ライダーという存在はあまり居ないだろうけど・・・

metrはスマホアプリによる設定変更に加えてバッテリー残量の監視、スピード表示などがあるので追加して損することはないと思う。TENKAとUnityは価格差にして$100違う。これはデカい(2021.7現在、そのうち$249に変更予定)。その価格差ぶんでmetrを入れても良いだろう。

↑ 120A放電におけるFETの80度までの熱到達時間においてUnityのほうが若干有利であるが、これはほとんど気にすることはないだろう。120Aなどまず使うことはない。一般人ならデュアルモーター合計40Aほどで充分すぎるほどのパワーだからだ。

ボディの対角に固定用のネジ穴がついてるのも良い。余計な出費や部品もなく取り付けが楽になるだろう。対角の2個のネジで取り付けるのが前提のデザインに見える。今回の投稿のはじめの画像のTENKAボディの左上と右下にネジ穴がある。

また、Tの字とAの字の上下にもネジ穴があるが、これは裏側から取り付けるためのネジ穴のようだ。裏から見ると穴にネジ溝が切ってある。

最近はFlipskyのFSESC(VESC)もお値段高めなのでTENKAは良い選択肢のように見える。私は買うかもしれない?12s(50.4V)までのバッテリー構成で自作または改造に使うなら良いESCだと思う。

最後にTENKAのコネクタ、ケーブル類が全てボディ下に集中している点について。これは意外にも秀逸と思った次第。このTENKAはネジで取り付ける際にスペーサーなどを入れて少し浮かせて取り付けることを前提にしていると思われる。これによりバッテリーコネクタの出どころ、収めどころをある程度任意に位置を変えることが可能になる。VESCを使う際、バッテリーコネクタの位置をどこにするか、意外と悩みどころなのだ。

工夫次第、ケーブルの取り回し次第ではmetrやFlexi BMSなどもTENKAの下に設置できるだろう。またスケボーのリアトラックの上にトップマウントで載せる際にTENKAのボディ丸見えで載せても面白そうだ。ここでコネクタ、ケーブル類を全て下側に配置したことが生きてくる。

↑ これを実際に試してみたのがマルチボルト2号機である。