Evolveがオリジナル・・・というべきなのか、これを模倣した製品が大量にデビューしている。ownboard bamboo ATやBackfireレンジャー辺りから始まった中華ATボードの侵攻は苛烈を極める。
最近デビューしたEvolve Hadean(2021.8月現在、日本では未発売)の価格設定はかなり高額であり、それに対抗するかのように様々なATボードがデビューしている。
Hadeanだけ値段が高いが、かと言って他と比べてスペック的に優位というわけではない。Evolveはオーストラリアの会社ゆえにこれくらいの値段じゃないと採算が合わないのかもしれない。中華勢強し!AT、2in1、ブランド力で今日まで生きながらえたEvolveもいずれboostedの二の舞になるのか?という心配すらしてしまう。
EvolveはGTRからHadeanへと完全に世代交代をしなかった。高価格なHadeanと低価格で(今となっては)ロースペックのGTRと、2種類のプラットフォームで併売していくようだ。おそらくHadeanの一本打法販売では売上が厳しいのだと思われる。
そして中華Evolve 2in1クローンの先駆けとなったownboardからはZEUSという名称のボードが近日リリースされる模様。
↑ これだ。13直列に21700セルの組み合わせ。
13直列 × 定格3.6V × 19.2Ah = 898.56Wh
いよいよATにふさわしいバッテリー容量になってきた。個人的感覚としてATで500Whでは容量不足。ATなら1000Wh以上は欲しいとたびたび言ってきたが、だいぶ理想に近づいてきた。
いまのATの流れとしては6〜7インチの空気チューブ式タイヤ、ベルトドライブ、6368〜6374モーター、21700バッテリー、12直列もしくはそれ以上・・・そんなところか。
側面に穴が空いてるエアレスタイヤがちょいちょい出てきた時期もあったが、どうもこれはメインになる気配がない。乗り心地が悪いとか回転時にブレがあるとかで空気チューブ式が結局良いよね、という流れになっている。
21700バッテリーセルは完全にスタンダードとなった。もう18650を使う理由がない。12直列バッテリーももはやスタンダードとなった感がある。少し前までは完成品販売ボードにおいて12直列は珍しい風潮があったがそれも過去の話。そして大容量化。一回の充電でたくさん走れるに越したことはない。
そして気づけばベルトドライブばかり。結局はベルトよ・・・という先祖帰り。ハブモーターやダイレクトドライブは電動スケボーがまだ珍しかった頃は見栄えにおいて良かったが、ベルトやギヤドライブに性能面や快適性でどうしても劣る。パッと見モーターの存在が分からず電動に見えないハブモーターやダイレクトドライブの見た目など最早どうでも良く、性能や快適性を求める時代になった。
遊びとして電動スケボーを買うなら今ならATをオススメできる。かつてのEvolve GTX(2017)の頃は360Whとあまりにバッテリーが貧弱低容量でATではとても乗る気になれなかった。その頃と比較して今では2倍もしくはそれ以上のバッテリー容量を誇るATボードがたくさんある。
私は逆にストリートは今後好き者用のハイエンドと低価格初心者向けの2極化になるのでは?と予想している・・・が、おそらくハイエンドなストリートモデルは中華からほぼ出てこない・・・とも予想している。おそらく売れない。ハイエンドなストリートは「綺麗な路面でかっ飛ばしたりシュッとカービングするのが気持ちいいんだよ」という玄人好みみたいな立ち位置になり、もうスタンダードになる事はないと思っている。
いま新規で電動スケボーを始めたいならば、ATから入るのが何ら珍しくもなく、不自然でもない。今なら私も「AT買っとけ」と言うだろう。快適で路面を選ばず今ではバッテリーも大容量になってたくさん走れて楽しいんだもの。そんな時代になったと思う。
ATの留意点としてはそこそこお値段が張ること、持ち運ぶには少し重いことである。