たまには3Dプリンターの印刷の話をする。

このブログではたまに3Dプリンターについて話をすることがある。ということで今回は3Dプリンターの回。

最近私がよく使うフィラメントは・・

①Raise3D プレミアムPLA

②PolyMide™ CoPA

③TPUフィラメント

この3つ。

それぞれの印刷のポイントやらを勝手に語る。

まず①。PLA。印刷のクセがなく匂いもない。寸法も特に狂わず印刷しやすい。値段も高くなく、強度もそこそこ。使うプラットフォームシートは・・・

↑ 3Mのプラットフォームシート。これをガラスベッドに貼ってケープスーパーハードを吹き付けて使う。ケープスーパーハードを吹きつける理由はリンク先参照。ノズルファンは回し、通気の良い状態で印刷する。ノズルからフィラメントが出たそばからファンの風で冷やしたほうがこのPLAはキレイに印刷できる。ラフトは有りで。ABSのような反りも異臭もない。欠点は曲げ耐性が弱いことだ。その代わり基本的には曲がりにくい素材で剛性がある。

次に②PolyMide™ CoPA。ナイロンの高級フィラメントであり滅多に使わないが製品に曲げ耐性や靱性、耐熱性を求める時に使う。剛性は①のPLAの方が上だがPolyMide™ CoPAは多少曲がるものの耐久性が高く容易には折れない。こいつはとにかく頑丈なのが売りなのだが扱いが少し難しい。スプールに巻いたままほったらかしておくと湿気を吸ってどんどん質が悪くなる。ジップロックにシリカゲル等の乾燥剤を入れて保存する。湿気を吸うと印刷時にやたら糸を引いて使い物にならなくなる。印刷時にプチプチと音が鳴り始めたらもうダメである。印刷時は「eSUN eBOX」に入れて温度設定はマックス、乾燥させながら使う。あとは①と同じく、3Mのプラットフォームシートにケープスーパーハードを吹き付けて印刷する。ラフトは有りで。印刷が終わったら速やかにシリカゲルの入ったジップロックに入れて保管。印刷自体はPLAなみにイージーだが保管にとにかく気を使うのがコレ。

なおナイロンは80度で煮ると強度が増すらしい。スプールに巻いてあるときは湿気が大敵なのだが、一度印刷したあとはその吸湿性を逆手に取る。煮ることで粘りが出て靱性が増す。逆に乾燥した寒い日は靱性が落ちてパキッと逝くのがナイロンの特性である。今改造中のバイオボード・プルトニウムが完了して、落ち着いたらPolyMide™ CoPAでギヤドライブのドライブギヤを作ってみようかと思う。

最後に③のTPU。実は過去に当ブログにおいてTPUフィラメントについて投稿した記事がランキング上位に入る人気の記事になっている。3DプリンターにおいてTPUは是非とも使いたいフィラメントであるが印刷が少し難しい部分があるからだろう。関心が高い内容のようだ。

TPUはゴムのように柔軟性がある素材で剛性は皆無だが靱性は素晴らしい。その柔軟性ゆえに印刷時の扱いが難しい。わたしはスケボーのテールガードを作る時に好んでTPUを使う。デッキのテールを床に当てた時もTPUなら割れることもなく衝撃を柔らげてくれる。

先ほどの過去の投稿リンク先に大まかな注意点が書いてあるが今回はそれに少し付け加えた内容を書く。他のフィラメントにも言えることだが、TPUは特にプラットフォームとノズルのクリアランスはしっかり調整しておく。近づきすぎると詰まりの原因になるし、遠いと印刷の途中でプラットフォームから印刷物が剥がれてミスプリントの原因になる。

私はTPUの時だけ「BuildTak」というプラットフォームシートを使う。これにケープスーパーハードを吹き付けて「ラフトは無し」で印刷する。これで失敗率は大幅に低下する、というか失敗はほぼ無くなる。ガラスベッド(Build Tak)に直接サポートが印刷されるような場合はラフト有りでも良いだろう。

プラットフォームのガラスベッドは2枚用意して、3Mのプラットフォームシートを貼ったもの、Build Takを貼ったもの、それぞれフィラメントに合わせて入れ替える。ガラスベッドを入れ替えたら必ずノズルとのクリアランス調整をする。これが意外と大事。

今回の記事が誰かしらのお役に立てば幸いです。