AE boardの穴あき105mmウィールや、Eovanの穴あき105mmラバーウィールを使用したところ、バランスがズレていて回転時にバイブレーションのごとくブレまくることがわかった。ウィールだけがブレるのではなく、トラック全体、そこからデッキにまで振動は波及する。ハッキリ言って最悪である。
このようにまず、ウィール自体に回転精度がよろしくない物が存在しているという事実。
そしてドライブシステム。前回のヘリンボーンギヤドライブの件において、ドライブギヤ(およびドライブプーリー)に口径の大きなベアリングを使い、これまた口径の大きな軸(アクスルシャフトまたはハンガー)でそれを支えることが回転の精度や剛性を上げることを述べた。正直なところ、いまだにこの方式を採用しているメーカーが少ないことに驚いている。個人的にはアクスルシャフトも8mmから脱却しても良いと思っているし、ウィールの外側と内側のベアリング間をもっとワイドにして良いと思っている。
スケボーの統一規格でいまだに縛られている部分だ。電動においてはもうこの規格から脱却しても良い頃合いだろう。むしろ遅すぎるくらいだ。
↑ 新型のバイオボード。これもモーター軸をベアリングと分厚いモーターマウントでガッチリと支えている。
またhaggyboardにおいて、6インチATタイヤを使用する際にはホイールバランスを取ることを推奨している。やり方はオートバイと同じ。鉛テープをホイールに貼って重量バランスを取る。実際にバランスを取らないままだとタイヤの空気を入れるバルブの部分に重心が偏る。
↑ とてもわかりやすい動画。
このように、近年のハイエンドボードやDIYの一部においては回転の精度に目を向けている。そしてより高級、より高品質なボードはこの点において妥協をしないことが重要になると思っている。
回転精度の重要性はふたつ。
まず快適性、そして機器の保護である。回転の精度が悪ければ振動を生じ、それがライダーや機器に余計なストレスを与える。消せる振動なら消すに越したことはない。
もうひとつは高速安定性だ。ウィールのバランスが悪いと高回転になればなるほど安定性を欠く。ひどい場合だと最高速に10km/hくらいの差が生じると思っている。これは物理的、心理的、両方に影響する。
回転のバランスが悪いととにかく高速域で怖い思いをする。これがバランスよく綺麗にウィールが回れば安心してアクセルを開けられる。この差が最高速において10km/hの差を生じさせてもおかしくないということだ。
つまりハイエンドなボードにおいては回転の精度はかなり重要であり、これを欠いたボードはハイエンドになり得ない、ハイエンドの資格はない。
品質を見極めるひとつの指標として、覚えておいて損はしないと思う。リモコンでウィールを空回しするだけである程度はわかる。デッキまでブルンブルンと震えたら、そいつはヤバいボードだ。