Evolve用のベルトプーリーを自作する

3Dプリンターを使ってEvolve用のドライブプーリーを自作する。寸法取りのためにケーゲル用の38Tプーリーをお借りした。ありがとうございます。

まず、Evolveのベルトは少しだけ特殊だということをお伝えしたい。

↑ オーストラリア本国の公式販売サイトより。翻訳なので少し日本語がおかしいが、進化=Evolveのこと。EvolveはGates社のGTベルトを使っていることが書いてある。5mmピッチではあるが、HTDとはほんの少しだけ規格が違うのだ。

↑ ほんのちょっとだけ違う。ピッチは同じ5mmであれば相互の互換性もある。GTのベルトにHTDのプーリー、またはその逆もいちおう使用可能だ。

Evolveはプーリー自体もベアリング付きで良い。中華ドライブのなかにはプーリーにベアリングが付いていないタイプもあるが、やはり回転の真円性に欠ける。プーリーにもベアリングがあったほうが、ハンガー(アクスルシャフト)で保持されて、軸がブレずにキレイに回転する。これもまた静粛性に一役買う。

今回自作するプーリーはGT規格で設計した、が・・・・

↑ この仕様に近い形で一度作ったものの、微妙にベルトと歯の噛み合いが悪かった。

またネット上にでてくる他のHTD5の規格の歯の寸法通りに設計しても、いまいちベルトとの噛み合いは悪かった。これも調べると大抵はそのような結果にはなるという。歯車を製造しているサイトが公表しているCADデータから歯をなぞってコピーしたほうがよほど噛み合いが良いらしい。

また3Dプリンター製のプーリーは使用していくうちに摩耗とともに慣らさせて、途中から非常に良い状態(完璧なフィット)になるとも言われている。それも越えて摩耗すれば最終的には破損となるが・・・

ベルトの歯の設計は、プーリー全体の外周寸法である歯先円(OD)と歯底円の2つさえ決まれば、あとは歯の形だけである。現物のプーリーからノギスで測ったりしながら4つくらい試作品を作って、一番噛み合いが良いデザインを使うことにした。

↑ ケーゲルのコアも、もちろん3Dプリンター。強度を知るために試しで印刷してみた。指でグイグイ押す分には折れなかったが、ペンチで挟んでグリグリしたらアッサリ折れた。PolyMide™CoPAでもコレである。

↑ そこでプーリーの突起に穴を空けた。そこにM3のネジを入れて強度を上げるための芯棒とするのだ。

↑ 試しに1本M3のネジを入れてみた。今度はしっかり硬い。これが10本もあれば強度は充分だろう、たぶん。

↑ 2分割にした。1ピース構成で余計なサポート材を出したくなかったからだ。この方法だとサポート材がほとんど出ない。芯棒のネジがこのふたつの接合も兼ねるという設計だ。

今回はEvolveでは販売していないオリジナルの34T。105〜107mmウィールを使うにあたり、32Tだと少しトルク不足。しかし38Tはさすがにトルクに寄りすぎる。そんな感じでチョイスした歯数だ。

これを印刷して後日に実走するつもりだ。

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