いきなり物騒な話になったが、たまには表題に対する自分なりの意見でも書こうかと思う。
世の大半の人は電動スケボーは危険な乗り物だと認識していると思うし、実際に私もそうだと思う。コケたら終わり。まず前提としてコレがある。ゆえに参加人口は少ないわけだ。
その危険な乗り物に興味を持つ。その時点で第一関門クリアだ。そこから金の問題を解決して購入先を調べる。そしてどうにかボードを買う。とりあえず走ってみる。
ここから先はある程度のセンスが求められる。
「30km/hで充分です!」
「40km/h!ひええ速すぎ!」
「50km/h!俺はまだイケる!」
「60km/h!まだだッッ!」
「70km/h!?マジで死ぬぞ!?」
・・あなたはどの辺りにいるだろうか?スピードを出せばエライわけでも何でもない。むしろ世間の目はどんどん厳しくなるだろう。30km/hなら「すごいね」で済まされていたものも、50km/hを越えれば「なんかものすごいスピードで走っていて危険な人がいるんですけど」と通報案件になりかねない。スピードというのは、自身だけでなく周りにも影響を与えるということを知っておいたほうがいい。
・・・ということで、まずスピードはほどほどに・・・
スピードに慣れてしまった人はどうか?もう最高速30〜40km/hのボードでは退屈なんです、という人。彼らは共通して電動スケボーがかなり好きである。普段からよく走る。そしてよく研究してスピードを出すための基本を押さえている。そして引くところは引く。無理はしない。路面が良く、人がいない等イケる時だけ行く。
そこでポイント①「無理をしない」
「当たり前だろう」と思うだろうが、これがなかなか出来ない人がいる。経験や技術、知識が伴わないのに無理をする人がいる。怖いと思ったら素直に引く。荒れた路面では思いっきりスピードを落とす。もちろん人がいたらスピードを落とす。速い自転車が来たらサッサと道を譲る。ヘタレでけっこう。蛮勇は怪我の元。
そして今出てきたポイント②「知識」
初めてのボード、初めて乗るんです〜。という初心者はまず知識がない。当たり前のこと。速く走るのにはセンスや経験が必要なのだが、実は知識もかなりのウエイトを占める。速く走る人は、パワーのあるボードに乗っていて、それを自分なりに乗りこなす技術とセンス、そして知識を持っている。例えばウォブルを知っているのと知らないのでは相当な差がある。
「速く走るとなんかグラつくんです〜怖いんですけど〜」という人と、セッティングが決まっていないボードだと高速域でウォブルが出ることを知っているのでは全然違う。そしてウォブルを抑えるのには何が必要か知っているだけでもかなり違う。技術やセンスだけではない、理屈・知識として知っていることが大事だ。
ちなみにウォブルは根性ではどうにもなりません。むしろ根性でその不安定な領域まで速度を乗せることが危険な行為だと思ってください。根性は電動スケボーにおいては最も不要な要素です。知識の方がはるかに大事だと断言します。
ポイント③技術
乗車の技術だが、これは走り込んで経験を積むしかない。走り込んでバランス感覚やスピード感覚を身につける。修行のように考えるのではなく、自分なりに楽しんで走っていれば後からついてくる部分が大きい。単純に、ただ走るということに関しては言葉で伝えられる技術というのが無い。
ポイント④洞察力
道、モノ、人、音、状況に常にアンテナを張る。
落下物、路面の砂、ひび割れ、陥没、段差。これらを上手くやり過ごす。走っている時は路面をよく見ることだ。そして路面が悪いところでは無理をしない。
ボードの異音に気づいたら早期に原因を特定する。とんでもないトラブルの前触れかもしれない。風の強さを考慮してペースを抑える。あまりに強風ならその日は走るのを止めるのもアリ。
人や自転車などがいたら上手くやり過ごす。電動スケボーでのクルージングで前だけ見てる人、これはダメ。スピードを落としている時には後ろも少し気にしたほうがいい。実は自分が自転車などの邪魔をしているかもしれない。
通行人や自転車、ジョガーなどで明らかにこちらに敵意を持つ人の表情を見極める。世の中こちらの存在を快く思わない人もいる。これもスピードを落としてなるべく離れて上手くやり過ごす。何も考えずにワガママに走っていると、この手の人とトラブルになる可能性がある。
一般の交通においても、自転車、バイク、車などの棲み分けの中で、何故か人は自分以外の立ち位置のものを敵視する傾向がある。車だけに乗る人はバイクや自転車を敵視する傾向が強い。電動スケボーも同様ということだ。理解されないものは敵とみなされてしまう可能性を頭の片隅に入れておく。
ジョガーの中にはイヤホンをしながら走っている人も多い。そして意外にも後ろを気にせず突然Uターンや斜行をするケースがある。背後にスケボーがいるなんて夢にも思っていないケースだ。イヤホンで周りの音なんて聞こえてはいない。走りによる疲労やイヤホンなとで注意力散漫な状態のケースが考えられる。あまり背後にピッタリ着くのはやめよう。追い抜くなら大きく間隔をあけたほうがいい。モーター音などで気づいてもらえるのが一番だが、ベルやホイッスルを使うという手も一応はある。
ローディ(ロードバイク)は自分の意思以外の要因でペダリングを緩めることやブレーキをかける事を基本的に嫌う。減速からの再加速は疲れるからだ。けっこうノーブレーキで突っ込んでくる人が多い。これがローディが危ないなどと叩かれる要因ではあるが・・・
こちらは加速減速が指先ひとつで苦もなくできる。こちらが譲るくらいの寛容さは必要だと思う。同じようなスピード域の乗り物ながら、向こうは人力、こちらは電動。こちらの配慮が肝心だ。
ジョガーもローディもひどい時は疲れているせいか、前すらまともに見ずに下を向いて走っている人もいる。向こうは電動スケボーの存在など想定していないものだとこちらが認識する必要がある。追い抜くにしても、すれ違うにしても気をつけたい。
別にジョガーやローディの悪口を言っているのではない。そういう傾向があるという事実であり、それを知ることが対策になるのだ。傾向を知ることでこちらも「危ねえな!あいつ!」などと感情的になることもなく、トラブルも回避できる。
ポイント⑤初めての道
慣れていない道には気をつけよう。とくにハブモーターや小径ウィールのボードは路面状態の影響を大きく受ける。初めての道はATが無難だ。小石や陥没、路面のひび割れなどの走破力がATのほうが上だからだ。万が一のリカバリーが効きやすい。
ポイント⑥2台目のボード
購入2台目のボードは気をつけた方がいい。1台目のボードで慣れたという過信と油断は2台目に乗った時に悪い形で出やすい。1台目より2台目のほうがパワーがあるならばとくに要注意だ。1台目でもう慣れたという油断とスピードに、2台目ボードの感覚のズレが合わさる。3機種以上乗るとボードごとの感覚の違いというものがわかってくる。以前に乗っていたボードの感覚のままだと危険だというのがわかってくる。2台目だとまだその経験が足りない。
ポイント⑦事前の準備
ネジの緩み点検、ボードとリモコンのバッテリーの管理、連絡やセッティングのためのスマホ、プロテクター類、キズバンドなど。走行中のバッテリー切れはけっこう危険だ。とくにリモコンの充電切れは盲点である。3〜4回くらい持つだろうなんて思っていると案外途中で切れたりする。私はリモコンを走行前日のたびに毎回充電するようにしている。
ポイント⑧センス
スピードをそれなりに出せる人、出せない人。これは人によって限界が違う。「当たり前だろ」と言う前にもうすこし聞いてほしい。この限界というのは「いくら走り込んでも、ここから上の速度は怖くて出せません」という、その人にとっての伸びしろを含めた最終的な限界のこと。
例えば1つのボードがあり、Aさんはそのボードで50km/hで走れます、Bさんは同じボードで40km/hしか出せません。Bさんは半年間そのボードに乗り続けても40km/h以上は怖くて出せません。という状況。
言い方は悪いが、半年乗って無理ならこれから先そこから伸びる可能性はかなり薄い。これがセンスというものだと思う。しかしこれは気にしないことが一番。その人によって爽快、快適な速度は異なる。本人さえ良ければ良いじゃないか。その人にとってはその速度がエキサイティングかつ危険なラインを超えない速度なのだから。「ポイント①無理をしない」に通じる。
あくまで私の意見ではあるが、こんなところです。