トリック用の軽量電動マウンテンボードについて考察する・その②

前回は16s(16直列)バッテリーが私の個人的結論のひとつと書いたが、高電圧対応の高価なESCを用意したり、モーターのKV値やら電圧対応に不安があったりと、いざ作るにあたり不安要素があることも書いた。

そして、あれから少し考えた結果バッテリーは12sにし、21700ではなく敢えて18650に先祖返りするのもひとつの手では?と考えた。

21700 12s2p=345Wh・1680g(1セルあたり70g)

21700 16s1p=230Wh・1120g(1セルあたり70g)

18650 12s2p=260Wh・1200g(1セルあたり50g)

セルは21700はサムスン40T(4Ah)、18650はソニーVCT6(3Ah)を基準とした。

18650ソニーVTC6、非常に良いセルではあるが、上記の12s2p構成に関して不安があるとすれば電動マウンテンボードで使うには少し出力不足な感があるということだ。セル単体で15A、2pでトータル30Aがギリギリのところ。しかし出力不足をカバーする方法がある。

トリック用でありスピードを求めないのでトップスピードはギヤ比で抑えてそのぶんをトルクに回す。ローギヤードなギヤ比によるトルクでバッテリーの非力さをカバーだ。そこで丁度いいアイテムを見つけた。

↑ eBayで販売しているモータープーリー。数ある歯数から注目は12Tだ。さらに条件があり、8ミリ穴、16mm幅、さらにキー溝付き、これが重要。

電動スケボー関連を探すと上記の条件をすべて満たすプーリーは意外と見つからない。15、16Tあたりがスタンダードだからだ。アリエクで販売している12Tプーリーだとキー溝が無かったりする。空転防止のためにキー溝は必須だ。12Tにすることでかなりローギヤードになる。72:12で実にギヤ比6!

↑ esk8 calcで計算したところ、140KVモーター、12直列、ギヤ比72:12、8インチタイヤ(200mm)と言う条件下で、最高速は理論上38km/h、体重の負荷により32.3km/hという結果になった。

限られた空間でトリックを楽しむならこのスペックで充分なのではないか?と。モーターも上限いっぱいまで回して軽さを活かし電動のメリットとトリックを同時に楽しめるボードになるだろう。トルクが増すということはバックトルクも増し、ブレーキも強力になる。

↑ 18650・12s2p用のホルダーもチャチャっと設計してみた。

小さいバッテリーをペリカン風の箱の中にESCごと入れる。リヤ側のESCケースは必要なくなり、さらに車重とコストの節約になる。

構成は決まった。あとは作るのみ!