Kaly.nyc XL-R

またまた現れたモンスターマシン!!

Kaly.nycの新型マシン、XL-R。

ちょっと前にも投稿したLacroix ロンスター・スーパースポーツX boardと同等クラスの怪物。

ただでさえニッチな電動スケボー界において、さらに既存のユーザーを引き離すかのようなハイスペックマシン??

しかしながら電動スケボー歴が長い人ほど(?)この手の大容量バッテリー&ATという方式にたどり着くのであります。電動スケボーユーザー全員がそうだというわけではないが、より快適に、より速く、よりたくさん走りたいという欲求を満たしつつ、堅牢性・信頼性を担保できるのがこの方式なのだ。

その辺に関しては以前にこちらに投稿しています。

XL-R、まずバッテリーがサムスン50Eセルの20s8p。5Ah × 3.6V × 20s × 8p = 2880Wh。容量は充分。20sというのもスゴイ、84V。ESCは不明。ストームコアでも84Vを扱うことはできない。

充電は15A。15A x 84V = 1260W

充電におけるワット数はもはや電子レンジ、電気ケトル、ヘアドライヤー、IH、焼肉プレート並みだ。2880Whのバッテリーを3時間程度で充電できる理屈だが、充電中はいま挙げたこれらの家電を3時間使用するのと変わらない電力。それなりの契約アンペアじゃないと充電すらままならない。

モーターは63100、5000Wの怪物モーターをデュアルで合計10000W。この手のハイエンドボードは6374すら上回る。84Vの高電圧ゆえにKV値はついに110KVまで下がる。

タイヤは210mm、8インチちょいというサイズ。走破性と快適性の観点から8インチというのがひとつの指標になるだろう。大口径ATタイヤの電費の悪さを大容量バッテリーでカバーする。

重さは53.5ポンド、すなわちおおよそ24.27kg。かなり重いが8インチのハイエンドATはこんなもんだろう。もうギリギリの重さだ。車に積むにしてもこのあたりが積み下ろしの限界という感じだ。非力な人だと車に積むことすら許されない。かつてのホンダ・シティのオプションだったモトコンポ(折りたたみの原付)は42kgだったのでそれに比べれば・・・みたいにどうにか納得して心に折り合いをつけるしかない。

ドライブは不明ではあるがおそらくギヤドライブだろう。ベアリングはアンギュラーベアリング。アンギュラーベアリングは静かなムーブメントだ。地味に、さりげにハイエンドにおいては必須となりつつある。

納期は2021.5月予定。現時点で購入可能な最高峰の電動スケボーだ。金額も弩級の$6350。今の為替レートで言えば65万円以上。もう完全なるレジャービーグルだ。遊び用のスノーモービルや4輪バギーを買う感覚だが・・・これらとの決定的な違いは「より乗り手を選ぶ」ということだ。コケたら無事では済まない電動スケボーなのに超高性能。加えて電動スケボーなのに65万円オーバー。金持ちでキチ○イじゃないと踏み込めない世界。

ハイエンド電動スケボーが求める方向性は予見されていたものの、性能面も金額もトコトン突き抜けた感じだ。乗りたい奴、買える奴だけ買えと。12s以上の高電圧って必要?とか思っていたが、そういう理屈の問題じゃないということか。楽しさ、エキサイティングの極地を目指す姿勢が素晴らしい。

いまのこの状況は面白い。中国製の入門機、欧米のイカレたハイエンドに需要が二極化されているのかもしれない。もうEvolveすら入門機のカテゴリーだ。

ロンスタースーパースポーツにも言えるが、8インチ(超)AT、大容量バッテリーにあらずんばハイエンド電動スケボーに非ず。加えてドライブはギヤドライブ、妥協してもベルトドライブ。電動スケボー界が導き出したハイエンドのあるべき姿というのがコレである。