Inboard社 会社清算

こちらに記事があります。

公式サイトもすでに製品を販売をしていない。

結果は大きな驚きはなく致し方なしという印象だがあまりに早い。2015年4月にクラウドファンディングにより資金調達成功。2016年末〜2017年に掛けて市販開始。M1の当初は販売価格$1399。そこからズルズルと値下げして最終的には$599。

昨年末に電動キックスクーター「グライダー」を発表したばかりである。そのときから「ヤバいな」とは思っていたが・・・

電動スケボー自体はニッチであり市場が小さい。乗車が不安定なスケボーよりも、誰でも乗れそうなキックスクーターのほうが市場が大きい。ではこれが良い選択か?と問われれば、すでにキックスクーター業界はライバル社が多すぎて競争が激化していた。

電動スケボーは性能が良くて安い中華ボードに押され、電動キックスクーターは参入当時からレッドオーシャン。残念ながら詰んでいたとしか思えない。

Inboard M1は、当時としては革新とも言える特徴をいくつか有していた。それは交換できるバッテリー、ハブモーター、自動で点くライト、スマホによるファームウェアアップデートである。しかしファームウェアアップデート以外はハズれた感じがある。

交換できるバッテリーは以前から私が書いてきた通りで、あまりメリットがない。交換や充電の手間がかる。バッテリーひとつあたりの距離も短い。複数バッテリーを買うならコストも掛かる。

ハブモーターはEnertionラプター2.1でも失敗しているとおり、乗り心地が悪く熱にも弱い。ウィールもその機種の専用品になり、使い回しができない。

自動で点くライトはカッコいいが、これは前照灯というよりポジションランプ的なもので夜の周りからの視認性アップ程度。

ファームウェアアップデートは素晴らしいが、元のハードが良くないので性能アップというよりは不具合修正、出力特性の修正という感じだった。アプリの開発スピードも遅く、Android版のアプリをリリースするのに1年くらい掛かっていた。

ここ2年くらいの電動スケボーの価格下落のわかりやすい見本として、このブログでM1を引用させてもらったほどである。上記の通り、値段を下げるだけで製品のテコ入れはしなかった。

しかしテコ入れが難しいのもよくわかる。中華ボードは矢継ぎ早に新製品を連発してくる。しかも向こうは後出しだ。市場で一定の評価を得た構成やアイデア、部品をマネて大きな投資をせずにポンポンと新作をリリースしてくる。それでいてダメなものはサッサと販売終了だ。サイクルが早い。仮にInboard社がテコ入れしたところで、中華勢はそれを遥かに越えるスピードで新製品を投入しなおかつ安く販売してくるのだ。昨年の時点ですでに$599のM1よりも$400以下のWowgo 2Sを買った方がはるかにマシという状況だった。

今回のことはとても残念に思う。Boosted社も安穏とはしていられないだろう。中華ボードとは値段が倍くらい違うのに、性能自体はほぼ追いつかれているからだ。むしろ中華ボードのほうが優位な点すらあるのだ。(バッテリー容量や交換部品の安さなど)

↑ クラウドファンディング、キックスターターでの動画。当時これを見て未来を感じていたが、そこからわずか4年でこれ以上のモノが当たり前のようにポンポンと出てきた。それもはるかに安い価格で。