電動スケボーと電動キックボードの明暗

電動キックボードが日本でもナンバーを取得して公道で走れるようになった。ただし原付扱いとして。

世間では歓迎の声もあるし、こんなの危ないから認めるなという意見も。私個人の意見としては大きな一歩を踏み出したが、まだまだ利便性を生かせる段階にはなっていないという感想。

原付扱いということで面倒な制限がいくつかある。ヘルメットの着用義務、路側帯を走れない、車道走行という点。ヘルメットは安全面では必須ともいえるが利便性を損なう。海外では14歳以上ならヘルメット着用を不要とする国もある。

原付一種(50cc以下)なら定格600W以下。10s(10直列定格電圧36V)の電動スケボーで言えば、おおよそ電流16Aという感じだ。昨年の中華ボード(電動スケボーのほう)は250W × 2個のハブモーターで合計500W、これに感覚が近い。すこし非力だなという感覚。

こんな非力な乗り物で車道に出るのはかなり怖い。路側帯は法律上走れず。路肩はアスファルトの舗装が荒れていたり、砂利やゴミが溜まりやすい。そこをあの小径タイヤで走ることになるのだ。これは少し怖い。タイヤの直径が大きい電動アシスト自転車の方が走破性の面では安全だと思える。大通りを走るというより、裏道をトコトコと走る用途に向いているだろう。

馬力、ワット数の計算サイト

600Wがいかに非力かわかる。0.6kWは約0.8馬力だ。こちらのサイトはワットではなくキロワットであることに注意。

表題の明暗については、電動キックボードがナンバーを取得して公道を走れることが明とすれば、それができない電動スケボーは暗だということだ。

「スケボーは不安定だし仕方ないじゃん」というのはよくわかる。しかし私が懸念しているのはそこではない。

「電動キックボードは公道を走れる電動モビリティとして認められた。それにより、いままでグレーだった(一般的な認識)電動スケボーは違法だと認識される傾向がより大きくなる可能性」である。

もちろん元々公道は走れない。なので駐車場やらサイクリングロードのようなところで迷惑をかけないように遊んでいたのが実情だろう。サイクリングロードも基本的には公道。電動スケボーはいままではなんとなく見逃されてきた側面がある。しかし今後はそのお目こぼしすら無くなる可能性が出てきたことを私は懸念している。

「電動キックボードは運転者が免許を所持しており、保安基準を満たす装備を付けてナンバーを取得し税金も払っている。違反をした場合は明確な処罰の対象となった。」

これが明確となったわけで電動スケボーは、より違法性が鮮明になってしまった。

「電動キックボードに対して、同じく電動で動く電動スケボーはナンバーもなければ保安基準を満たす装備も無し。駐車場だろうがサイクリングロードだろうがそんな乗り物で世間の皆様の前を走るなど認めん。」

こういう解釈になっても不思議でもなんでもないということだ。ナンバー無しのポケバイでもその辺の駐車場を走れば捕まりかねない。

通常の非電動のスケボーは遊具という扱いであり、「交通が頻繁ではない道路においては必ずしも違法とはならない。」頻繁の定義が曖昧なので一般常識の範囲に委ねられる部分があるが、一応許されている部分があるのだ。

私は電動スケボーはニッチだと今まで言ってきた。危ないイメージ先行で乗り手を選ぶ(実際に危ない面が多い)、公道で走れない。

それに加えて、今後は法的解釈により違法という解釈が色濃くなりさらに人口が減りかねない。もうニッチどころではない。「そんな乗り物は違法ですよ」と言われかねない状況になりつつある。解釈次第では完全に違法だと言われるだろう。人によっては解釈もなにもなく完全に違法だと。私有地やらサーキット等以外は違法だと。

捕まるかどうかは別として、世間や警察の目はいままで以上に厳しくなるだろう。いままでは処罰の基準や方法が曖昧な部分あり、口頭注意で済まされてきたことがそうではなくなる可能性が大きくなった。

こここまで読んでくれた人の中には「お前は大げさなんだよ。」という意見もあるだろう。

「迷惑かけずに大人しく駐車場などで遊んでいる分には良いでしょ」という寛大な心で今後も世間様や警察の方々が受け止めてくれるならば良いが。それが電動キックボードの公道解禁により、同じような電動モビリティでありながらナンバーを取得できない電動スケボーを見る目が今後は厳しくなる傾向が強まるであろう、という今回の話。