なにかと経営が不安定な感じのEnertionではあるが、今年の5月27日のセールで私が注文したFOCBOX Unityがようやく出荷された。じつに4ヶ月。こうなることはある程度は予想していた。
↑ 2個で$421。今予約を入れると1個$299。かなりお得に買えたことになるが、これだけ待たされるとなるとけっこうリスキーだ。いままでEnertionで何度も買い物をしているが、遅延はするものの今のところ発送率は100%。商品が来ないことはない。(買い物として当たり前のことだが・・・)
ちなみに散々叩かれたのか、今はプレオーダー扱いとなっている。かつては通常のオーダー扱いであり、ポチったが最後「いつ商品が来るんだよ?」状態になったユーザーが多数おり、返金騒ぎにもなった経緯がある。
しかし安心した面もある。発送されたことに対してもだが、FOCBOX Unityは今後の自作およびハイエンドボードの鍵となる重要パーツということで、この製品が潰えるのはあまりにも痛い。このまま供給を続けて欲しい。
あまり無責任な事は言えないが、Unityはハイエンド機のESCとして採用されているので、バックオーダーが一定数溜まったらまとめて生産。こんな感じで今後もボチボチ作るのではなかろうか?
それでも拭えない不安もある。ソフトウェアのアップデートが今後も継続的に行われるか?今でも若干のバグが見つかっているようだ。最近は音沙汰がない。
↑ 友人のラプター2.1のハブモーター用ウィール。ほんの数回走っただけでウィールの一部が欠けたので自費で1セット購入した際に文句を言ったらもう1セットくれたそうだ。
↑ ShredLightsのインストール動画。ラプター2.1を使って解説してるシーンだが、すでにウィールが欠けている。
代表のジェイソン氏はすっかり姿を見せなくなったが、なんだかんだで活動は続けているようで一安心。しかし・・・
↑ ハイエンドのハブモーターというのは現在においては難しいということがうかがえる。モーターの熱自体もだが、それによりウィールのウレタンもその熱の影響を受けるという。よくよく考えれば、スケートボードのウィール(ウレタン)に熱を加えながら走るのはハブモーターだけであり、その試行はまだ期間が浅い。ほんの2〜3年だ。
ひょっとしたら熱に強い、130度の熱でも劣化が少ないウレタンが開発されるかもしれない。しかしそのウレタンが開発されたとしてもモーター自体の冷却の問題も出てくる。乗り心地が改善される可能性も薄い。
それほど大きな産業でもなく、これの研究開発に投資し開発自体に成功したとしてもほとんど旨味やリターンはないだろう。
FOCBOX Unityの開発は良かった。R-Spec ハブモーターの開発は半分失敗に終わり業界に別の方向性を促す結果となった。ギヤドライブ、ダイレクトドライブの台頭だ。
先頭を走って開発するメーカーが優位とは限らない。むしろ市場の規模を考えればリターンも少ない。研究開発投資はリスキーであり、実用化に成功し安定したリスクの少ない技術を、後から採用したメーカーの方が経営が安定する傾向すらある。
史上初(ということになっている)のハブモーター機だったInboard M1は値下げを繰り返して投げ売り状態。いまではキックスクーターをメインに据えている。ここはもう電動スケボーの開発はやらないだろう。
ダイレクトドライブを初めに開発したCarvonは資金繰りが上手くいかなかったのか市場から消えてしまった。その後、中国メーカーやトルクボードがあっさり商品化してしまった。
ハイエンドのハブモーターを開発したEnertionはご覧の通り不安定な商品出荷が続き、市場からの信用が失われている。
遊星歯車を使ったギヤードモーターのStaryも消滅して、Staryのもうひとつの特徴だったユニボディデッキはExwayやTeamgeeなどが採用し、それをハブモーター機として販売している。
過去を振り返れば、悲しいことに先行開発の会社が浮かばれない業界なのだ。開発投資のリスクが大きいわりにメリットが少ない。Unityはそうなってもらいたくないものだ。
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