軽量ボードってどうなの?

電動スケボーを買いたいという人の中には「軽いものが欲しい」という人が一定数いる。持ち運びに便利だからだと言う。これについて私なりの意見を述べたい。

まず軽量の定義として4kg〜6kgあたりだろう。4〜5kgでシングルドライブ。6kg前後でかなり頑張っているデュアルドライブ。こんなところだ。デュアルドライブはさほど軽くならない、モーターの重さがあるからだ。Boosted miniも6.8kgだ。Evolve Stokeは8kg、ここまでいくともう軽量でもなんでもない。

持ち運びについて。バックパックに背負って運ぶとする。「それをしてどうするの?」というのが私の疑問だ。よく海外の動画で自宅から電動スケボーで駅やバス停まで走ったあと公共機関に乗り、降りた後にまた電動スケボーで会社に向かうような動画がある。あれは正しい使い方。しかし日本ではそれは出来ないでしょう・・・

では、都心の人が公共機関を使って遊べるところまで移動するということか。多分これは継続して続けるのは難しい。たかだか100Wh前後のボードだとチョロっと走ったら終わり、時速30km/h弱で走ってもせいぜい15分。わざわざ公共機関を使ってこれである。大抵の人はすぐに楽しさより面倒くささのほうが上回ってやらなくなるだろう。

軽量ボードは海外で生きるボードだ。玄関に置いておき、近場の足としてサッと使うには便利だろう。

前回の投稿でLeaf boardBOLTが値下がりしてるという事を書いた。これらは軽量なシングルドライブだが、値下げは時代の流れもあるのだろう。そして需要や性能を考えれば下落も致し方なし。

私もACTON Blink Sというシングルドライブの軽量ボードに乗ったことがあるが、とにかく走りがショボい。軽量シングルのダメなポイントはここだろう。実際に手に持てば5kgだろうがそれなりに重い。そのくせ走りがショボすぎる。だったら多少の重さに目を瞑り7kg〜8kgのデュアルドライブのほうがマシという感じになるのかもしれない。

デッキの長さについては、31インチがひとつの基準。デッキが長いほどホイールベースも長くなる。ホイールベースは直進安定性の要だ。時速40km/hをどうにか出せるラインがこの31インチというサイズだと思う。正直31インチで40km/hは少し怖い。ロングと言われているものがだいたい37〜38インチあたり。23〜25インチというのはかなり不安定だと思った方がいい。有名メーカーのミニサイズがだいたい31〜33インチというのはこれが理由である。23〜25インチというのは電動としてはかなり特殊な部類だ。

もし軽量ボード25インチ、シングルとしても車重2〜3kgならばかなり人気が出ると思う。しかし2〜3kgに作るのははっきり言って不可能だ。結局現実として4〜5kgというのは持って数百メートル歩くには重いのである。私も歩いてスーパーに行き買い物して帰るとき、1.5リットルの飲料水などがあるとけっこうしんどい。

軽量ボード、とくにシングルはデュアルのロングボードに比べて1〜3kg軽くする代わりに走りの面で大幅に妥協するということを知っておいてもらいたい。

あと40〜50km/h級のボードに乗りなれた人はますます軽量シングルには乗りたくなくなるだろう。ショボすぎてつまらないので身体も心も受け付けなくなるのだ。

人によるが、私からアドバイスするとすれば、軽量ボードに幻想を持ちすぎるなということだ。ラストマイルとして、移動の足として割り切れる人じゃないと厳しい。レジャーとして乗るにはあまりに刺激がなさすぎるのだ。