シングルスタックとダブルスタック

自作用データベース(バッテリー自作編)の下の方に、シングルスタックとダブルスタックの違いについて書いてある。これはバッテリーセルの組み方の違いを表す言い方であり、セルを横に倒した状態で並べて薄く平たく組んだものがシングルスタック。その上にもう一段積んで二重構造にしたものがダブルスタック。セルの1階建がシングル、2階建がダブル?みたいなイメージ。

電動スケートボードに限らず、バッテリーパックについてこれまで私なりに色々調べてきたが、シングルスタックというのはかなり特殊な組み方であることが改めてわかった。むしろバッテリーパック自作において、電動スケートボードから入っていない人からするとシングルスタックは少し異様に見えるかもしれない。

電動スケートボードに類するものとして、ミニセグウェイや電動一輪、電動キックスクーター、電動バイクなどがあるが、これらに関してシングルスタックが採用されている例はほとんどない。シングルスタックは、バッテリーパックの薄さを追求するスケートボード特有の事情により存在する少し特殊な組み方なのだ。

中華ボードは基本的に10s2pダブルスタックだ。なぜか?堅牢に組めるからである。シングルスタックは構造的に衝撃、振動、曲がりに対して弱くなりがち。

海外のDIY愛好家の方々はシングルスタックでいかに信頼性のあるパックを構築するかを追求し情報交換を重ねてきた。スケートボードの限られたスペースにバッテリーをどうやって積むか、どうやって振動に耐える組み方をするか?業界最大手のEvolveも研究を重ねて振動やデッキの曲がりに強いシングルスタックバッテリーパックを開発した。これはGTRシリーズから採用されている。

私もかつてはシングルスタック信者だった。シングルスタックなら車高を低くできる。ゆえに走行安定性が増す。しかし大容量が欲しくなり12s10pダブルスタックを構築したらあっさりとダブルスタック信者に鞍替えした。私がたどり着いた結論は「バッテリー容量は多いに越したことはない」ということである。

「おまえ、安定性がどうとか言ってたじゃないか」

これはウソではありません。車高が低いほうが走りが安定するのは確かである。しかしデッキに対してバッテリーパックの平方面積が同じなら、容量が単純に2倍になるダブルスタックの恩恵は個人的にはそれ以上なのだ。ダブルスタックは重く厚くなるだろう。それでも容量2倍には大きな魅力がある。車高が上がる(パックが厚くなる)といってもせいぜい2cm程度である。

大容量ダブルスタックはまだメジャーではなく、超ハイエンドや自作の域を出ていない。費用や重さ、スペックからして一般に浸透するかどうかも怪しい。しかし一回の充電でたくさん走れるのはかなりのメリットだと言っておこう。

いつかの機会にバッテリーパック構築の私なりのノウハウなどを書けたら・・と思う。