改造AE2 もはや別物となる

HPの自作・改造ボードの軌跡というところにその名の通り自作やら改造ボードを紹介させていただいているのだが、けっこう前にAE2という激安中華ハブモーター機を改造していく様子をいくつか投稿していた。

もうとっくに終わった話と思いきや、今回でおそらく最終形態に変身するという最後の一押しとも言える改造を施すことにした。M Boardsのキットビルダー、ベルトドライブを使って信頼性を高めつつ乗り心地とトルクを両立したボードに仕上げる。

そしてベルトドライブの組み立てにおいて、意外にもちょいちょいつまずくポイントの私なりの対処法と組み立ての秘訣も合わせて紹介する。

↑ いきなりだが、M boards拡張ハンガーのアクスルシャフトが長い。そのままウィールを差し込んでもネジ山以上にシャフトが余る。これは欠陥品か?それともスペーサーを入れ忘れたか?

↑ というわけでスペーサーを入れる。内径8φ、幅10mmのスペーサーだ。近所の業者系ホームセンター・ホダカで買った物だ。これで対処する。このあとワッシャーを入れてウィールを差し込めばちょうどよく収まる。

↑ 今回、モーターは別途用意した。Flipskyの6354・160KVモーターでトルク重視。AE2のデッキは柔らかいのでスピードよりも登坂力やブレーキの信頼性を重視して選んだモーター。しかしここで罠がある。モータープーリーとモーターシャフトをこのようにツライチまで差し込むと、とある問題が発生する。本来ならこのツライチの状態でイモネジ(画像の裏側)を入れるのだが・・・・

↑ 今回は敢えてモータープーリーとモータープレートの隙間を5mmほど浮かせた。モータープーリーの穴にロックタイト641を塗布してシャフトに挿す。5mmのアーレンキーで高さを保持しつつロックタイト641の硬化を待つ。せいぜい10分弱で溶接かと思うほどに接着される。金属ハメ合い用接着剤であるロックタイト64Xシリーズの接合力は恐ろしい。イモネジ要らず、そしてもう分解はほぼ無理である。モータープレートにモーターを固定してから接着しよう。

↑ 赤い↔︎マークがモータープーリーを5mm浮かせた部分だ。黄色の矢印が示すネジの頭とベルトが干渉しないためにモータープーリーを浮かせたのだ。ベルトドライブは仮組みがとても大事になる。いきなり完組みしない方が良い。仮組みで全てがしっかり問題なく組めるかどうか確かめる必要があり、場合によっては先程のロックタイト641のようなマニュアルに反するやり方で問題を解決しなければならないし、仮組みで先に問題を洗い出す。ベルトとネジの頭の干渉、それを解決するモータープーリーの5mm浮かせも仮組みから導き出した。

VESCはFlipskyのFSESC4.20プラスをそのまま使う。私はGTXでも同じVESCを使っているが、10sバッテリーでそこそこの性能に仕上げるならとてもコスパの良いVESCだと思う。

そして今回は珍しくファームウェアと設定用ソフトウェアは「Ackmaniac」を使う。

Ackmaniacの使い方はこちら。

これを使う理由は、FSESC4.20プラスVESCが今ではそこまで最新でもなく、なおかつAckmaniacが安定しているファームウェアだからだ。Metrもサポートされている。FSESC4.20プラスがリリースされて以降、VESC4ベースとしてはFlipskyは新商品をリリースしていない。つまりFSESC4.20プラスは安定したVESC4ベースの製品である。バッテリー出力合計40A(設定上デュアルで片方20A)くらいで使うなら問題はなく、そこそこパワフルな走りを楽しめる。

上のAckmaniacの使い方のリンク先でも言及されているが、最新のVESC Toolと少し異なりAckmaniacではモーターキャリブレーションとリモコン設定をマスターとスレーブごとに行う必要がある。

さんざん自作・改造電動スケボーを乗り回していると最新のファームウェアに強い関心もなくなり、古いファームウェアでも安定さえしていればいいや、みたいな感じになってくる。よう安全に楽しく走れればそれで良いのである。

ボード自体は完成して軽く乗り回してみたがかなり良い感じだ。次回で外観の画像を含めてレビューをします。改造しまくってオリジナルと別物になったことで何がわかったのか?