↑ 今回はバッテリー作りは一旦止めて、エンクロージャーとデッキにネジ穴を開けた。
以下、これに関する私なりに辿り着いた技法を明かす。
まず、エンクロージャーのネジ穴を開けたいところにマジックで軽くマーキングする。今回、21700・12s8pという重たいバッテリーを積むのでネジは10個使うことにした。M5のキャップネジだ。今回は最前方の穴を起点に、最後方まで52cm。その中間にもうひとつということで、間の26cm地点にもひとつ、さらに真ん中と最前方、最後方の間の13cm地点にもそれぞれマーキング。つまり13cmごとにマーキングした。これをしっかり定規で測りながらやる。
目視のみで適当にやると「だいたい失敗する」しょせん人の目分量などたかが知れているので、左右でバランスが悪くなりカッコ悪くなるのだ。しっかり定規で測ろう。
マーキングしたらエンクロージャーをデッキに養生テープなどで固定する。もちろんピッタリと位置を合わせて固定する。
そしたら「7mm径のドリルで、角のマーキング箇所とその反対側の対角の角の2箇所に穴を開ける」例えば右最前方と左最後方という具合だ。
まずマーキング地点にドリルを当ててエンクロージャーに穴を開ける。エンクロージャーを貫通してドリルの先端がデッキに当たる。その状態でドリルを止めてエンクロージャーのツラから15mm上のドリル刃地点に養生テープを巻く。15mmというのは目安だ。デッキの厚さや鬼目ナットの深さによって変える。このドリル刃に巻いた養生テープは「これ以上深くドリルを刺したらダメですよ」という目印だ。実際にデッキへの穴開けを進めて、怖かったら少し手前(1〜2mm程度)で止めてもいい。デッキの表(デッキテープ側)までドリルを貫通させたら取り返しがつかない失敗となる。
7mmのドリルでエンクロージャーとデッキの両方の穴を開けてしまうのは効率が良いからだ。エンクロージャーの7mm穴は実際にM5ネジを入れるときの余裕となる。キッチリ5mm穴だとキツい。ちょっとエンクロージャーがズレただけで極端にネジが回りにくくなる。すこし大きめの穴の方がネジの通りも良いのだ。
デッキの7mm穴はM5鬼目ナットの入れやすさからの7mm。これは鬼目ナットの規格やサイズによって変わるかもしれない。
こんな感じで角-角の2箇所だけ穴を開けたら、エンクロージャーを外そう。そして鬼目ナットを入れる。
鬼目ナットを入れる過程で、回しにくくなったら無理に回さないほうがいい。最悪は鬼目ナットが割れる場合がある。回しにくくなる原因のひとつとして、穴が浅いケースもある。鬼目ナットを一旦外して、ドリルでちょっとだけ追加で掘ってみよう。もちろんデッキを貫通させない程度で。
角-角の2箇所に鬼目ナットを入れたらその2箇所だけネジでエンクロージャーを固定してしまおう。これでもうエンクロージャーとデッキがズレることはない。心置きなく残りの8箇所も穴を開ける。
最終、もうVESCもバッテリーも配置して充電プラグや電源ボタンなど配線も完成、あとは走るだけだ!・・という段階になったらエンクロージャーのネジ止めにはワッシャー追加、そしてロックタイト238の使用を勧める。走行中のネジの脱落を防止するためだ。もうひとつのネジ緩み対策としてバネワッシャーを入れても良いが、ロックタイト238よりは信頼度が落ちる。
↑ 余談だが、エンクロージャーを販売しているeboostedからエンクロージャーを買うとき、オプションとして「コンボ」というメニューがある。これはエンクロージャーとデッキのセット販売だ。これでさらにオプションのガスケットを追加すると上の画像のように、エンクロージャーに沿ってゴム板を貼り付けた状態で出荷してくれるのだ。今回はさらにその上にもう一枚ゴム板を追加してゴム板の合計を6mm厚とした。
私の自作ボードの組み方として、バッテリーパックの上下に薄いスポンジを入れる。つまりスポンジの間にバッテリーパックがある状態にする。これは振動対策だ。6mm厚のゴム板はそのスポンジ領域のスペースを稼ぐためのものだ。今回は依頼主の要望によりゴム板を追加した。
エンクロージャーとデッキの穴あけは、少し慣れとコツを要する。しかし今回のやり方でそこまで苦もなく出来るはずだ。注意点はデッキ穴を貫通させないことだ。エンクロージャーの穴がネジ径より少し大きいことによる微妙な隙間は、ネジの頭やワッシャーでごまかせる。
そして掃除機は必須。穴あけの過程で木くずや粉が出まくる。数年前の旧型ダイソンが大活躍である。