良い電動スケボーとは? 2020.2 条件編

これを改めて考えることにした。原点に立ち返る。良い電動スケボーとは何か?

ものすごく基準が曖昧な具体性のないタイトルだが、いくつかの要点を以下にまとめる。結論をいきなり言うと「結局は人による」という身も蓋もない話になるのだが・・・

それを差し引いてもこのポイントは押さえるべきというポイントを挙げてみた。今回は箇条書きで条件を並べ、次回以降ではそれを加味してどんなボードがオススメかを語っていきたい。

①乗り心地は良い方がいい。

これはかなり優先順位が高い。乗り心地が悪いと不快で機器にも負担が掛かる。乗る気になるというメンタル面や、走る場所や範囲にも大きく影響を与える。これはウィールがかなりのウエイトを占める。ウィールで7割〜8割くらい決まると思う。ドライブに関してはハブモーターは総じて乗り心地が悪く、他は及第点。ATはだいたい乗り心地が良い。極論を言えばATならば乗り心地は問題がないが、これは電費と反比例する。基本的に乗り心地が良いウィールほど電費は悪化する傾向がある。

②操縦性が良い方が良い。

当たり前だろ!というツッコミが入りそうだが、スケボーとしての部分ではなく、電子制御の部分の話。これも優先順位としてはほぼ最上位と言える項目。これがダメだとすべてダメ。ESCのフィーリングがほぼ全てだろう。意外とリモコンの作りや設計自体はそこまで大きな影響がない。極論を言えばESCをVESCにすることでほぼ解決する。中華ボードならホビーウイングESCだ。

③電費は良い方が良い。

これはドライブの効率とウィールによるところが大きい。とくにウィールサイズや硬さ・柔らかさの影響が大きく、①と相反する要素がある。アクセルオフでよく転がるボードは電費が良い。

④軽い方が良い(?)

これはその人の使い方によるし、重さの限度は人によって異なる。基本的には重くなるほど高性能である。軽さと性能は相反する要素であり、性能を犠牲にしない重さはおおよそ8kgあたり。それ以下だと何かしら犠牲にしている部分が見受けられる。乗れば重さはあまり気にならない。使う人の環境次第だが、私は軽さに関してはほとんど無視している。私の所有ボードはだいたい10kgオーバーだ。初心者は軽さを重視する傾向があるが、乗れば乗るほどそれはどうでも良くなり、いつしか性能を重視するようになるのが大抵の流れである。「持ち運びって実際にどの程度やります?」ということをよく考えたほうがいい。私はせいぜい玄関と車までだ。電車に乗って出先で〜、というのはすぐ面倒になってやらなくなるのがオチだ。

⑤安い方が良い(?)

これはほぼ性能に直結する。一部例外的に高価なものが良いとも限らず、安いものでもなかなか良いものもあったりする。これは見極めが難しい。ブランド力や知名度だけはあるが、そのわりに性能は大したことなく値段だけ高いボードもある。日本国内で売っている激安ボードは安物買いの銭失いとなるだろう。私にとっての最低条件はホビーウイングESCを搭載した中華ハブモーター機だ。

⑥バッテリー容量は大きいほど良い。

用途によるが、持ち運びの利便性を無視すれば大きいほうが良いに越したことはないという感じになる。レジャー向けならなるべく大きい方が良い。18650ならば直列数 × 並列数 × 50グラムでバッテリーパックのおおよその重さがわかる。21700ならひとつあたり70グラムだ。③が多少悪くてもこれでカバーできる。

⑦モジュール性・カスタマイズ性

パーツごとにナットやネジを簡単に外せ、部品を簡単に交換できる方が良く、調達しやすいものが良い。またアップグレードするにもやりやすい。$400近辺の激安中華ボードは改造しやすい。これが良いボードは部品単位での売買もやりやすいだろう。例えばドライブだけでも売買の対象になる。モジュール性やカスタマイズ性が良いと見栄えは今一歩となる傾向がある。

⑧ブランド

これは知名度ともとれる。意外にも⑦と相反する部分がある。有名ブランドほどモジュール性やカスタマイズ性に難がある。見た目を良くするため部品も専用デザイン、専用設計になり、他の部品では代替がきかなくなりがち。あまり詳しくない人でも買いやすいという安心感と売却時のネームバリューという、動力性能とあまり関係のない部分でブランドは大きな影響があり、これもなかなか軽視できない。自動車やオートバイなどと違い、本当に良いものがネームバリューがあるとも限らず、市場参入の先行の利でネームバリューだけはあるというメーカーもある。後発でも品質的には侮れないものを安く売っているメーカーもあるが後発ゆえにほぼ無名である。

⑨ドライブシステム

個人的観点から言うと、ベルトもしくはギヤドライブがオススメ。次点でダイレクトドライブ。ハブモーターはオススメしかねるが$500以下なら致し方なし。性能よりも静かさを求めるならハブモーターもアリ。またハブモーターはメンテナンスフリーでもある。ベルトとギヤドライブの利点は乗り心地とトルクに優れ、ウィールサイズの変更ができること。ダイレクトドライブは意外とKV値に縛られて大きくウィールサイズを変更することが難しい。ギヤドライブはまだ高級機やDIYの範疇であり低価格モデルには降りていない。またユーザーも少なくノウハウもイマイチ確立していない部分がある。完成品ボードの購入に関して、ギヤドライブはまだ無視しても良い段階だ。

長々と条件を書いたが2020年となった今でも玉石混交、カオスな世界だ。いろんな要因が絡み合う。良いボード、ダメなボード。販売価格とその時系列推移。ユーザー個人の嗜好や才能、センス、経済力。安全性への疑問。各国の法整備や対応。そして想像以上に世界レベルで市場規模が小さいこと。企業の新規参入と淘汰。貿易摩擦。

そんな状況を踏まえて次回はどんなボードが良いか、私個人の視点で語っていきたいと思う。

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