Lifepo4の備忘録

私も勉強中の身ゆえ、今回はメモのようなものだと思っていただきたい。電動スケボーに応用できなくもないが、どちらかといえば自動車などで使うサブバッテリー用途のメモになる。

https://www.powerstream.com/LLLF.htm

↑ 参考

Lifepo4ももちろんリチウムイオン電池に含まれるが、一般的に電動スケボーで使用されているLi-ionとは特性が異なる。

まず、Li-ionの定格が3.6V、満充電4.2V、下限3.0V(3.4〜3.2V辺りで使用をやめた方が無難)

lifepo4は定格3.2V、満充電3.65V、下限2.5V(3.2V辺りで使用をやめた方が無難)

これはこの下に記載したグラフの通りで、3.2Vから下へは極端に落ちるLifepo4の特性による。

そしてLifepo4は4直列にすると、キャンピングカーなどに使用されるサブバッテリー (鉛蓄電池)に特性が近くなる。またLi-ionより爆発の心配も少ないので夏場は高温になる車内でも大きなリスクもなく設置でき、充放電の回数も多く寿命が長いのもLifepo4の優れた特徴である。

Lifepo4の4直列満充電は3.65V × 4 = 14.6V。

鉛蓄電池も最大でおおよそ14.4V。

しかし過去においては、この電圧まで走行充電器で充電するのは難しい面があった。理由は以下に記載。

↑ Lifepo4の電圧特性。充電率10%〜90%まで大きく電圧が変わらない水平に近いグラフ(赤い線)

↑ 【2022.5追加】電圧とパーセンテージの見込みはこんな感じだ。先ほどのグラフとは異なり、この表では4s12.8Vより下へは一気に落ちる感じだ。それでも90%〜17%の間では大きく電圧が変わらない傾向自体はグラフと同じだ。これがlifepo4の特徴ということだろう。

20%水準の3.45V × 4直列 = 13.8V、これ以上充電するのは、鉛蓄電池用の走行充電器では無理だった。4直列のLifepo4においてほぼ100%である14.6V付近まで充電するには特別な充電器が必要である。

http://www.camping-works.com/koniken/vol26.pdf

↑ 参考。車のメインバッテリーが満充電になると、オルタネーター(発電機)が充電電圧を制御して14Vに抑えられ、実際の充電電圧は最大で13.8Vあたりで止まる。つまり、いつまでも14.6Vには到達しない。

しかし近年においてはオルタネーターで14Vに抑えられても、走行充電器側で14.3V〜15Vまで昇圧する製品も出てきた。これらを使うことで4直列のLifepo4をほぼ満充電にできる。

New-Era SBC-006

BAL-2705

BAL-2705(大橋産業)のリンク先には走行充電器の配線図なども載っていてわかりやすい。

バッテリーはどれを使うか?12V定格のLifepo4をそのまま使うのが手っ取り早い。安く済ますならやはり自作だろう。

↑ 例えばこんな3.2V定格Lifepo4、300Ah。これを4直列に繋いで12.8V定格。3840Wh。放電電流もかなり余裕がある。4直列で40kg相当。しかし105Ahのディープサイクル(鉛蓄電池)が25kgくらいあると思えばはるかに軽い。105Ahディープサイクルをトリプル(3並列)にして同じ条件にするとすると75kg。しかも放電電流はLifepo4のほうがはるかに上。

Lifepo4は体積もかなり少ない。

上記のものを4直列に組んでも面積は220mm × 298mm。A4のコピー用紙程度。高さは130mm。だいたいのイメージはつかめる。12.8V、300Ahがこの大きさだと言われると嘘のように小さい。

↑ 300Ahも要らないよ、というのであれば100AhのLifepo4を4直列にもできる。面積は144mm × 200mm。高さ130mm。重さは約8kg。これを8個用意して4s2pで組み、200Ahにもできる。ポータブルバッテリーとしても使いやすい。

↑ BMS。8650円のモデルは300Aまで使える。4直列なので配線もシンプル。この画像のBMSは充放電共通のコモンポートだ。使用電力1500W程度を想定してBMSは200Aモデルで問題ないだろう。同じ想定でケーブルは38sqで良いだろう。

↑ 走行充電を前提に話を進めてきたが、もちろんAC100V → DC14.6Vも使える。これは20A充電器。家庭、またはRVパークなどで使える。

電動スケボーとLifepo4の話。Lifepo4の14sがLi-ionにおける12sに近い。Lifepo4満充電3.65V × 14直列=51.1V。

以上。