50Eで12s8pを組む ①

バッテリー大容量時代に突入ということで前回投稿したが、いよいよそんなバッテリーを組むことになった。しかしながら私のものではなく、かなり前から依頼があったものを私が組むという話の流れだ。

↑ ランドヤッツEVO用の2020年新型21700対応エンクロージャーにサムスン50E、12s8pをブチ込む!1728Wh!めちゃめちゃ大容量!Boosted boardsが8.7台分!

凄いよなあ・・・こんな円筒状の物体の寄せ集めで、人間を70km〜100kmくらい移動させるエネルギーを蓄電できるんだあ・・・

サムスン50EはGTXでも使用しているが、正直な話かなり良い。もともとスピードがそんなに出ないGTXというのもあって、とにかくよく走る。ちょいちょい出番があるボードではあるが、いまだにバッテリーの残量切れまで走らせたことがない。バッテリー残量を残したままその日は満足して終わるパターンだ。相当なスタミナだ。

今回の制作依頼バッテリーは、そのサムスン50Eをさらに倍近い数を使うという恐ろしいヤツだ!

GTX改では10s5pでセル50個。今回のEVO用は12s8pでセル96個。

たとえば1000W、バッテリーから出力するとして、10s5pなら1000÷公称36V=27.77A必要。5pなら1セルあたり5.55Aの負担。

これが12s8pだと、1000÷公称43.2V=23.15A必要。8pなら1セルあたり2.89Aの負担。

同じ1000Wを出すにも、12s8pはかなり余裕がある。これがデカいバッテリーパックのメリットだ。単純に距離を伸ばせるだけではない。バッテリーにも負担がかからないのだ。

↑ 3Dプリンターで作った治具でセルを固定する。

↑ Boschのグルースティック強力タイプを使ってセル同士をくっつける。このグルースティックは柔らかめではあるが粘り強く強力にくっつく。この用途にとても適したグルースティックだ。グルースティックもモノによっては粘着力が弱い物もあるので注意。とりあえずは片面4p、反対側の片面4pをくっつける。

↑ これまた3Dプリンターで作った2×4並びの8pを固定するための黒いパーツ。

↑ こんな感じで、セルの間に置いてこれまたグルースティックでくっつける。

↑ 先ほどの黒いパーツを挟むように4p同士を合わせて側面をグルースティックで接着。

↑ 隙間にもグルースティックを流し込んで8個のセルが剥がれないようにする。グルースティックと先ほどの黒いパーツとの組み合わせで、2×4並びの長方形の形で崩れない並列が出来上がり。12直列なので、これを12個作る。

↑ プラス側に絶縁シールを貼る。

↑ この絶縁シールを貼るのは地味な作業だ。ペタペタと貼っていく。万が一のショートを防ぐためにも大事な作業だ。先ほどのグルースティックによる接着もだが、バッテリーパック作りは全体的に地味な作業の連続だ。地味だが確実な作業が大事だ。リチウムイオンの取り扱いはちょっと間違えると大惨事になる。

とりあえず今回はここまで。