↑ 友人のボードのベースプレートが割れた!
転びそうになったので咄嗟に飛び降りた、そのままボードは壁にぶつかった、結果ベースプレートが割れたとのこと。本人に怪我はなく。
↑ 他所から拝借。かつてboosted boards 2ndGenのトラックも割れて問題になった。
↑ これも他所から拝借した画像。これはboosted 1st Genのトラック。初代はキャリバーのトラックを使っていた。ハンガーの形が明らかに2nd Genとは違う。ちなみに見てのとおりで1stはドライブプーリーも銀色のアルミ製。2ndでは黒い樹脂製になった。つまり1stから2ndの代替わりした際にコストダウンされたのだ。樹脂製のドライブプーリーは今日ではそこまで珍しくもない。私も3Dプリンターで作ったプーリーを使っている。boosted 2ndのトラックの割れ方は正直なところいただけない。鋳造部分のハンガーがヒビ割れるならまだしもアクスルシャフトまで割れるというのは論外だ。コストダウンは安全面を蔑ろにしてまでやってはいけないだろう。
boosted 2nd Genのトラックが割れた頃、同じく中華ボードのトラックも割れて問題となっていた。この頃はトラックにコストダウンのシワ寄せが来ていたのだ。トラックのコストダウンはユーザーにはわかりづらい。そして価格差が大きいのがトラックだ。よくわからない中華製は安く、欧米のCNCトラックは高い。
↑ Meepo V1.5のトラック。鋳造のハンガーの弱いところが割れた。ちょうどモーターのシャフトが終わるあたりが弱かったのだ。
この後、各社はトラックにはそれなりにコストをかける方向になった。Meepoはシュレッダートラックという自社開発、新設計のトラックを使い、Wowgoはパリス、 Backfireはキャリバーと、有名で実績のあるメーカーのトラックを使うようになった。
そして今回の友人のボードはベースプレートが割れた。あまり聞かない珍しいケースだ。
今回は比較的レアケースであるトラックの破損について考える。レアケースではあるが、これが起こるとヤバいということで回避法をいくつか提案する。
まずトラックの素材だ。鋳造かCNCか。鋳造は溶けたアルミを型に流し込む方式で、製造工程上どうしても気泡が入る。ゆえにコストは安いが強度は弱い。過去見てきた感じでは割れるのはだいたい鋳造品である。
もうひとつはCNCだ。アルミブロックをマシニングセンタで削り出す。こんな方法で作るメーカーは当然アルミ合金に詳しい。強度のあるアルミ合金を使うだろう。私も詳しいわけではないが、アルミ合金は種類が多い。
割れるのは嫌だ!というならお値段高めのCNCトラックを使うのが良いだろう。
↑ Fatboy アジャスタブルベースプレート。アルミ合金A6082-T6削り出し。その辺の鋳造とはワケが違う。付加価値税無しで€68。ベースプレート単体としてはかなりお値段高めだが割れるリスクを回避するならこういう頑丈なベースプレートもアリだと言えるだろう。
↑ 同じく3D Servisasのハンガー。これもアルミ合金A6082削り出しハンガーに8φのチタン製アクスルシャフト。よほどのことがない限りそう簡単には割れないだろう。
あとは実績のあるメーカーの物を買うのが良いだろう。私はEvolveも好んで乗っているが割れたことはない。
↑ 7:35あたり。Evolveのベースプレートはいちおうアルミ材をプレスして作る鍛造である。鋳造ではなく、CNCでもない。この動画はGTRデビュー時に公開された動画であり、Evolveの製造工程がわかる。けっこう貴重な動画だ。
リンク先によると鋳造が一番強度が弱く、そのぶん安い。CNCはそれなりに強度があるが削り出すアルミ合金に依存するうえにコストがかかる。一番強いのは熱したアルミ材をプレスする鍛造だと言われている。
もうひとつはセットアップだ。ぶつけるのは乗り方で回避していただくが、振動による疲労破壊は避けたい。柔らかいウィールで振動を抑制すると良いだろう。
最後に乗り方だ。私は乗り心地が悪いボードで無闇に荒れたアスファルトやら砂利道へは行かない。振動で不快だし何よりボードに余計なストレスが掛かる。言い方を変えると「大切に、ボードを労るように乗りましょう」ということだ。わざわざリスクを取る必要はないということだ。路面が悪ければAT、路面が綺麗なところでストリートボードに乗る。
「電動スケボーに乗ること自体リスクだよ!」
と言われたら何も言えないですが。リスクある遊びの中で安全に配慮しましょうということです。