通常18650や21700でバッテリーパックを組む際にセル用のホルダー(レゴブロックのような物)を使ったりするのだが、私の場合はグルーガンで接着する方法を選択している。少しでもスペースを詰めてセルを多く入れてバッテリー容量を稼ぐためだ。
表題のバッテリーPCB(PCBとはプリント基板のこと)は近年ではEvolve GTRシリーズに採用されている。基板に18650等のリチウムイオンセルを載せる構築法。
↑ Evolve GTRのバッテリー。基板にセルを載せることで柔軟性と堅牢性を両立し、直列やBMSの配線も必要なくなる。基板にそれらが統合されているのだ。
私はこの全体を統合するタイプのPCBはあまり好まない。やはりわずかにスペースの無駄ができるので容量を稼げないのだ。バイオボードも新型のプルトニウムはやはりPCBによる統合型のバッテリーを採用している。統合型PCB形式は工場での生産性、堅牢性と柔軟性、これらを両立するには良いが容量を稼げない。
バッテリーPCBは統合型だけでなく、並列グループだけをまとめるタイプのものもある。
↑ DERELICT ROBOTで販売しているバッテリーPCB。これは18650・6p用。これはマニアックなアイテムですよ〜。
DERELICT ROBOTはバッテリーPCBやコネクタ類に強いショップだが、少し前まで日本への配送料がメチャクチャ高額だった。それが最近改訂されてそこそこの値段(アメリカ⇄日本のEMSが軽い小包で2000円程度)で発送してくれるようになったので、今回はこの18650・6p用を12個ポチった。つまりこれを使って12s6pを組むのだ。ちなみにDERELICT ROBOTは配送も早い。ポチった数時間後にはトラッキングナンバー(追跡番号)も通知された。
いままでPCBを使わなかったのに、なぜ急に使おうと思ったのか?もちろんメリットがあるからだ。とくにシングルスタックにおいてメリットがある。
6並列を横並び1列グルーガンだけでくっつけようとすると剛性に疑問が残る。正直なところ5pでも怖い。このPCBをセルに重ねることで並列グループに剛性がでる。曲がりにくくなるのだ。
↑ 例えばセルを5個並べて5p。これをグルーガンだけで接着すると接着面で曲がる可能性が高い。
↑そこでPCBを重ねて一緒にグルーガンで接着、さらにグラステープでPCBごと巻いてしまえば曲がりにくい堅牢な5pとなる。
あとははんだづけがやりやすくなる。PCBの銀色の部分とニッケルをはんだづけするのでハンダゴテの熱がセルに伝わりにくくなる。PCBで熱が大幅に寸断される。
※これは後ほど試した結果、PCBとニッケルをスポット溶接した方が作業性が良かった。
↑ またDERELICT ROBOTでは統合型のPCBも販売している。これは12s4p用だ。中心に細かい線がプリントされているが、これがBMSの配線代わりとなる。また直列もシリコンコードではんだづけする必要がなく、基板により直列が接続される。
6p用が届いたらさっそく組もうかと思う。ソニー村田VTC6、12s6p777.6Whシングルスタックだ。