バッテリーセルの俵積みと長方形積みの違い

まず俵積みという言い方は何となく分かりやすいかな?ということで便宜上そういう表現をしている。

↑ 俵積み

↑ 長方形積み

上の画像でなんとなくイメージが湧いたと思う。

バッテリーセルをダブルスタックで積むときに、いずれかの選択を強いられる。どちらが正しいとかはなく、エンクロージャーにバッテリーを入れるにあたりどちらが収まりが良いか、都合が良いかで選ぶ感じだ。

どちらにもメリット・デメリットがあり、また意外にも(?)制作における独自のノウハウがある。

俵積みのメリットはバッテリーパック全体が少し薄くなることだ。

例えば21700で長方形積みするとそのまま倍の42mmがバッテリーパックの高さ(厚さ)。ところが俵積みにすると

√3 × 10.5(21700セルの半径) + 21mm = 39.1865mm

だいたい3mm弱、薄くなる。

「おいおい、たったの3mmかよ??」と思われるかもしれない。

↑ 3mmというと、おおよそ許容電流20Aの16AWGのシリコンコード 1本分。バッテリーパックがたった3mm厚いだけでエンクロージャーが閉まらないというケースも有り得る。それくらいシビアになる場合は俵積みを選択する場合がある。

欠点は、わずかに薄くなる代償として長方形積みよりも幅(もしくは長さ)がセル半個ぶん寸法が増えてしまうことだ。21700なら10.5mm寸法が増える。

またグルーガンでセルを接着するときに、なにも考えずにくっつけると詰む。

↑ 例えばコレ。

↑ そしてこれ。

積み方に同一か、鏡写しのような左右対称となるか、の違いがでてくる。バッテリーパック全体をイメージして同一の並列パックと左右対称の並列パックと組み方を分ける必要がでてくる。全部同じ並列の組み方をするとバッテリーパック自体が成立しなくなる。完成したバッテリーパックのイメージをこの時点で整理しておく必要がある。

↑ グラステープを巻く時も注意が必要だ。このようにピンと張った巻き方をすると、隣のセルと噛み合わなくなる。

↑ セルの曲面に合わせてグラステープを巻くことで、このように噛み合うようになる。

対して長方形積みのメリット・デメリットについて。

デメリットはさきほどのとおり俵積みより少しだけ厚くなる。しかし長方形積みは左右対称とか気にしなくて良い。12sなら12個すべて同じ並列の組み方で問題ない。

ただ、長方形に組むにあたり堅牢性を確保するための工夫が必要となる。そのままグルーガンで接着するわけにはいかない。

↑ 私の場合、3Dプリンターで作った黒いスペーサーを入れて、セルと一緒にグルーガンで接着する。こうすることで崩れにくくなる。単純にグルーガンだけでは難しい、これが長方形積みのデメリット。

次回は俵積みで12s8pを組む。