アメリカと中国間で関税問題が起きているというのはニュース等で報じられているわけだが、これがどうも電動スケボーにおいては問題ともチャンスとも捉えられる状況になっている。
※これは2019.8.28の記事です。
↑ Evolve Bamboo GTRストリート。上がオーストラリアのサイト、下がUSAのサイト。数字上は同じ1899でもAU$とUS$ではその為替差はほぼ1.5倍だ。送料抜きならオーストラリアだと約137,000円程度、アメリカで買うと約201,000円だ。なんなんだこの価格差は!?
これはEvolveの販売戦略なのかはわからないが、いくらなんでもそれだけでは説明がつかないだろう。Evolveは中国で作っている、つまりそういうことだろう。
↑ これは21700サムスン50Eの価格。上は欧州のIKON。下はアメリカのIMA Batteryでの価格。なおIKONは付加価値税付きのサイトと、付加価値税無しのサイトに分かれている。我々日本人は当然付加価値税無しで買う。付加価値税(VAT)とは欧州在住の人に掛かる税金だ。上記は付加価値税無しだ。アメリカで買うと(日本に発送しないが)約740円、欧州から付加価値税無しで買えば約570円だ。
↑ 付加価値税ありのNKON欧州用のサイト。これだと約640円くらい。
つまり、日本人は送料は掛かるものの、それを差し引いても良い立ち位置にいる。関税で価格が高騰しているアメリカを避け、付加価値税が掛からず、なおかつユーロや豪ドルが安くなっている欧州やオーストラリアから買える。
いまはチャンスと捉えるべきではないだろうか?トランプ大統領様々?
しかしながら、日本単体では何も出来ないことは留意すべきだろう。この件からわかることは電動スケボーとは中国が主導を握っている産業だということだ。バッテリーもモーターもESCも中国。
デッキ、トラック、ウィールなど、電動に限られない従来のスケボーの部品に関しては高品質なアメリカ製もあるだろう。しかしこれらもその気になれば中国で作れる。かつてアキレス腱だったESCも中国は2年ほどで品質を向上させた事実がある。今はアメリカが優位に立っている部品も時が経てば同等くらいにはなるかもしれない。