自作パーツ、どこのどんなパーツを使う?

当HPの「パーツ類販売一覧」にいくつかのパーツ販売社を記載してあるが、基本的にすべて海外のショップである。私も全てを使ったわけではないので情報が断片的ではあるが、今回は「ここのパーツは良いよ!」みたいな事を書こうかと思う。

Flipsky

主にリモコンとモーターでお世話になっている。VX1リモコンは低価格で信頼性が高い。モーターも基本的には安いしVESCに接続するためのセンサーコネクタも付属する。ただしFlipskyモーターのセンサーコネクタは5ピンであり温度センサーがない。その分安いという感じだ。温度センサーに関してはよほど無茶なセッティングにしない限りそこまで問題にならない。6355、6374あたりでバッテリー電流40A程度なら余裕のパワーで熱もそんなに上がらないので、コスパは良い。パワーを出さない10s限定でFSESC4.2プラス(ESC)も悪くない。コンパクトで安いデュアルVESCだ。

Torque Boards

自作電動スケボーパーツ販売の老舗ではあるが、新製品はちょいちょい「やらかす。」初期ロットは案外不具合が多い。ダイレクトドライブやTB40デッキ、V6モーターマウントなど。初期のCNCトラックはアクスルシャフトの径が微妙に合わずベアリングがメチャメチャ入れづらいということもあった。TBデッキも中には割れた物もあるようだ。扱っているモーターも5.5mmバレットコネクタはちょっと使いづらい。3.5〜4mmが妥当だと思うし他のメーカーはそうなっている。110mm72Aウィールは秀逸。TB40デッキは改良版が待たれる。

3D Servisas

リトアニアの会社でFat Boyという名称の製品を展開している。アルミ削り出しCNCパーツの会社。最近はギヤドライブが看板商品。ギヤドライブV1は微妙だったがV4、V5と改良を重ねてかなり良くなったし組み立ても楽になった。最近は自作電動マウンテンボードのためのパーツに特にチカラを入れている。扱っているパーツはどれも頑丈なのもポイント高し。ハンガーなどは頑丈に越したことはない。アンチスパークスイッチだけはボード保管時の自己放電が大きく評判がイマイチだった。

eBoosted

エンクロージャー専業。いまや1番信頼できるエンクロージャーはここだという感じだ。過去の製品から現在に至るまでの経過を見ると最新のモデルほど良い。はじめの頃は審美性に拘るあまり、深さ方向がかなりタイトだったが最近のモデルは深さもある。グラスファイバー製で頑丈。私はここのエンクロージャーを5〜6個買っており、それ以外にも人様のエンクロージャーもバッテリー制作の過程で扱ったこともある。今後もここからエンクロージャーを買うだろう。私はeBoostedで扱っているかどうかで自作における使用デッキを決めるほどだ。エンクロージャーをオーダーするときはゴムガスケットもセットで注文したい。なおバッテリーも作ってくれるので日本に配送できるかどうか問い合わせるのもアリ。

Landyachtz

本来ここで語るべきではないが、電動スケボーにおいてLandyachtzはそろそろターニングポイントを迎えるかな?という雰囲気がある。ひとつはコロナの関係でデッキの流通がかなり絞られていること。もうひとつはあくまで通常のロングボードやクルーザーデッキの会社であり、Landyachtz自体は電動に靡く気配がまったくないこと。あくまで自作系電動スケボーのユーザーがLandyachtzに群がっているだけで、向こうはその気がないという感じだ。それは全く構わないのだが、時代が自作電動スケボーにおいて40インチ以上を求める空気感が出始めている。自作電動スケボー界隈では今後Landyachtzのデッキに対する依存度が薄れるのでは?と私は予想している。ただしLandyachtzが電動専用デッキに参入して44〜46インチを出すというなら話は変わってくる。LoadedやSubsonicといったデッキメーカーも電動にはいちおう片足を突っ込んだのだが・・・

FOCBOX Unity

なんだかんだで当分はデュアルVESCとしてはコスパで選ばれると思う。しばらくは安泰だろう。電動スケボーの心臓部だがこれさえ使っていれば問題ないという製品。ただし運用するうえで中古でもいいのでAndroidの端末が欲しい。

Metr Pro & DAVEGA X

金があるならMetr Proは入れても損はない。DAVEGA Xもオススメ。Flexi BMSはどうも人によっては扱いが難しいようだ。BMSの知識が求められる。初めてバッテリーを組みますと言う人には厳しい。バッテリーを3〜4回以上自力で組んだ、ある程度慣れた人には素晴らしいBMSなのだが・・・

バッテリーセル

パワーのあるシングルスタックバッテリーなら18650サムスン30Q、18650ソニー村田VTC6、21700サムスン40T。モリセルP42という40Tよりもさらにハイスペックなセルもあるが、日本だと入手困難なうえにお値段も高い。

ロングレンジ(長距離)重視のダブルスタックなら21700サムスン50E。エンクロージャーのスペース次第ではサンヨー20700B。

使うセルはほぼこれらに限られる。少し前は18650、3500mAhのサムスン35Eやサンヨー18650GAもロングレンジ・ダブルスタック用の候補となったが、今や21700・サムスン50Eのほうが良さげな感じだ。

BMS

LLT Power、Li-Tech(Bestech)、Daly、Deligreen、このあたりで買っておけば外すことはないと思う。スマートBMSならLLT Power、他はサイズと充電・放電電流で決めると良いだろう。

Derelict Robot

以外な伏兵?バッテリーPCBが主力商品だが、PCBを実際に使ってみて良い手応えを感じた。バッテリーの堅牢性、信頼度が上がる。組み込んで損はない。電動スケボーのバッテリーを自力で作るのに使うという超ニッチ用途ではあるが・・・

番外編・ネジ

エンクロージャーやトラックのベースプレートに使うネジはステンレスが望ましい。単純にサビないからだ。私はホームセンターでネジを買うときはステンレスに拘るようにしている。なお、ステンレスのナイロンナット(ナットのネジ穴の隅にナイロンが塗布されていて緩み防止になっているナット)は異様にお値段高し。これだけはユニクロメッキのナイロンナットで妥協している。なおネジの長さには拘った方が良い。私はホームセンターへと買いに行く前に必ずネジ穴の深さを測定してからメモったうえで買いに行く。短かくて届かないのは論外として、長すぎても良いことはない。ネジが長いと邪魔な上に脱着の際に回す時間も掛かる。余った分だけ余分にネジを回すハメになる。

パーツ類の購入は案外バクチになることがある。買ってみたけど思ったより良くなかったということも珍しくない。信頼できるパーツを厳選する事でストレスなく信頼性のあるハイスペックなボードを、無駄な時間やコストを掛けずに作ることができる。

あとまったくの新規・新製品には御用心。やらかす可能性があるので基本スタンスとしては様子を見るのが賢い。