トルクボード110mm・72Aウィールを使ってみる。

GTX改に装着。

私は今までものすごく多くの種類のウィールを使ってきたわけでもないが、私が使ってきたウィールのなかでは現時点でこのトルクボード110mm72Aはストリートウィール最高峰のひとつではないか?と思う。

※ 2020.10現在では青は売り切れ、黒は在庫あり。

まず綺麗なアスファルトだと走っていてめちゃくちゃ気持ちが良い。滑るようにスーーッと走る。荒れたアスファルトでもそれなりに無難にこなす。この荒れた路面に対してはabec11スーパーフライ107mmや、クラウドウィール120mmと同様。

クラウドウィールとの最大の違いは綺麗なアスファルトでの走行フィーリングだろう。荒れた路面では差があまり出ないが、綺麗なアスファルトでかなり差が出る。「綺麗なアスファルトなら何でも同じだろ。ハブモーターでも問題ないんじゃないの?」と思われるかもしれないが、綺麗な路面だとこの110mm72Aは凄く滑らかで気持ちが良いフィーリング。この気持ち良さというのがポイント。快適を通り越して滑るような感覚で感動を得られる。そしてウィールから発するロードノイズは極小、とにかく静かだ。

この感覚は初めてabec11スーパーフライ107mmを使った時とけっこう似ている。あの感覚が蘇った感じだ。

注意点としては大きく硬めの落下物(大きめの石など)を踏んだ時にけっこうなガツンとした衝撃がくること。これは当たり前かもしれないが、110mmで72Aだからと油断してると最悪異物を踏んでコケる可能性がある。その辺はやはりATには敵わない。路面をよく見て落下物はしっかり避けよう。

少し話が逸れるが、自作データベースドライブ編でも触れているとおりで、電動スケボーのストリートウィールのコアに関してはabec11とケーゲルのふたつに勢力が分かれている。コアというのはウィールの中心、プーリーを取り付けるために複数の穴が空いているプラスチック樹脂の部分。

数年前はabec11優勢だったが、最近はケーゲルの方がシェア的にも優勢だと感じる。このトルクボード110mmもケーゲルコアだ。考えられる原因として、まずabec11自体がスーパーフライ以降とくに新作ウィールを出していないことがひとつ。次に構造上、堅牢なのはケーゲルの方であること。これはクラウドウィールで証明された。初期のクラウドウィールはコア(スポーク相当の部分)の強度が形状からして弱く、コアが割れた。クラウドウィール・ディスカバリーという新型ウィールではabec11クローンという少し強化された形状のコアに変更している。

最近はトルクボードやボアウィールと、ケーゲルコアで有力なストリートウィールが多くリリースされている。個人的にも今やケーゲルコアで統一してくれればありがたいと感じるほどだ。3Dプリンターでプーリーを設計するにもケーゲルのほうが作りやすい。

話は戻り、総括するとストリートウィール使うならコレという感じだ。今回はGTX改に装着したが、図らずもこれがベストな組み合わせとなった。

GTX改はもともとクラウドウィール装着を想定して作られたボード。しかし着地点が変わった。「クラウドウィールでセミAT」という構想から、「超滑らか、超静か、超ロングレンジ。走っていて気持ちが良いボード」という想定外の方向に着地した。方向性を変えるほどウィールの存在は大きかったわけだ。

GTX改はスピードはそんなに出ない。せいぜい40km/h。しかし大容量900Wh自作バッテリーとちょい緩めのベルトテンション調整、そしてこの110mm72Aと相まって良く転がり電費も良くてたくさん走る。そしてめちゃくちゃ静かだ。スピードを出すだけが能ではない。フィーリング、ゆっくり目に走っても気持ちが良いというボードが有っても良いんじゃなかろうか?

滑らかなフィーリングを実現するにあたり、このトルクボード110mm72Aウィールはベストチョイスだと私は思うわけであります。このウィールはスピードジャンキーでなくともオススメです。