GTX改 シェイクダウン

↑ 900Whというノーマルの2.5倍のバッテリー容量に、ESCをVESCに換装したスペシャルマシンの完成だ!パッと見はノーマルと変わらない。元のデッキのネジ穴は黒いコーキングで適当に埋めた。
↑ eboostedのエンクロージャー。このエンクロージャーは傑作だ。内壁幅18cmを確保したのはエライ!18650なら10本並べられるし、今回のような変則21700の10s5pが入ったのも、この18cm幅のおかげである。
↑ 電源ボタンだけはもう少しスマートな取り付けをしたかったが・・・
↑ モーターはゴールドモーター。初期型のGTXにおいての標準装備。しかし当時からこれは賛否両論で、金はダサいだの下品だのと言う人もいた。私は非常に好きである。途中から販売において黒と金を選べるようになり、最終的には黒のみとなった。
↑ 地上高の参考として。21700とはいえシングルスタックバッテリーなのでまったく問題のない地上高だ。シングルスタックで900Whというボードは世界中を探してもなかなか無いだろう。

さっそく走ってみたのだが、結論から言えば予想以上の出来となった。とっても素晴らしいボードだ。惜しみない自画自賛。

まずFSESC4.20Plus、非常に良いVESCだ。安くてコンパクト、それでいて問題のない走りとフィーリング。

↑ metrのセッティング。バッテリーMAXは25A。はじめは30Aだったが、25Aでも充分に速いと判断した。モーターMAXは35A。evolveモーターの1500W ÷ 10s40V = 37.5A。かなりざっくりとした数値だが、それに近い35Aとした。ブレーキ側のMAXリジェンとMAXブレーキは両方-30A。なんとなくという適当な数字だ。今回これでまったく問題を起こさなかった。

市販の中華ボードやevolve辺りなら、VESCの載せ替えはFSESC4.2Plusで何も問題はないだろう。これらのカスタムに使うにはFOCBOX Unityは少しオーバースペックな装備とも言える。

次はFlipsky VX2リモコン。初期型はデッドバンドが広く、ブレーキを恐る恐る探るような掛け方を強いられたらしいが、私のVX2は何も問題なかった。Proバージョンが出てくる直前のおそらく最後期型なのだろう。ジワッとアクセル、ジワッとブレーキ、何の不満もなくという感じだ。ただ、VX2はPPM接続ではなくUart接続なので、VESCのお家芸とも言えるスロットルカーブの調整などは出来ない。しかしevolveはベルトドライブなのでフィーリングの変更はギヤ比やウィールの口径を変えることでいくらか調整はできる。今回は32Tプーリーにevolve107mm F1ウィールにしたが、まったく問題ない素晴らしい走りをしてくれた。強いて言えば、晴れた日だとリモコンの液晶が反射で見づらいくらいか。

そして予想外のボーナスポイントとして、FSESCに換装するとモーター音がかなり静かになるのである。ハブモーターなみに静かになる。evolveの純正ESCとモーターの組み合わせは「キィィィ」という独特な感じの音がした。ホールセンサーがあるわりにBLDCぽい音がしたのだが、FSESCに変えることで完全なFOCという感じの音に変わる。「おまえ、こんな静かな音になるんか?」という軽い驚きである。ベルトドライブがうるさいと言うのは嘘であり、大半のベルトドライブはBLDCモーター(センサーレス)採用ゆえにうるさいということだ。

※ ↑ これに関しては友人から興味深い話を聞いた。静かになるのはUART接続のリモコンなのでは?という話である。友人もVX2proリモコンを使ったボードで走ったところ、かなり静かだったという。

そしてevolveのベルトは GT規格であり、ベルトの歯がHTD5並みに大きい。これのメリットは歯が大きい故に歯飛びが(スキップ)しにくいということだ。つまり多少ベルトのテンションを緩めにしても問題ない。むしろ張りすぎは避けるべきである。多少緩めることで抵抗も減って電費が良くなり、アクセルオフでも良く転がる。今回のGTX改も107mmと相まって良く転がる。

初期型boosted (第1世代)や Inboard M1では1往復するとほぼバッテリーが終わりという我がホームグラウンドにおいて、このGTX改は5往復してなおバッテリー残量は38V残っているという凄まじいスタミナを誇る。残量を半分以上残して撤収した。おそらくこのまま走り続ければ10往復は固いだろう。たぶんそれほどエコランをせずとも60kmは余裕で走るだろう。

電費、スタミナ、アクセルフィーリング、静かな音、滑るような滑らかな加速、よく転がるフリーロール、そしてGTXのフレックスデッキを犠牲にしないバッテリーの組み方。すべてがうまくいった。

ダブルキングピンゆえにトップスピードを求めないevolveの良さを残すコンセプトで作ったが、ほぼ狙い通りになった。小回りも良く効くしカービングも楽しい。それを脅威のスタミナでいつまでもダラダラと楽しむ、たまに加速すればものすごく静かに滑らかに加速する様も楽しめる。そんなボードだ。