10sか、12sか(これは情報が古いです)

以下は古い情報であり、新しく表題に関する記事を書きました。

電動スケボーにおいて電圧の主流は主に10s(10直列)であるが、一部の中華ボードに12s(12直列)が出始めている。12sはKV値の関係で最高速が伸びる、10sよりも少ない電流でパワーを出せる、などのメリットがある。

今回は私個人の意見・観点として、10sと12sについて述べる。

いまにわかに出始めている12sの中華ボードに関して言えば、ほとんどメリットを感じない。例えばWowgo 3Xが30Q12s2pで260Whの容量で$749。

同じベルトドライブならApsu board X1の20R10s4p288Whのほうが容量が多くてはるかに安い$499。さらにオプションのパナソニック32BDセルに変更すれば$679で460Whだ。

最高速はどちらも大して変わらない。これはWowgo 3Xの仕様で、12sでありながら最高速は控えめな設計である。最高速を伸ばそうと思えばおそらくは伸ばせるだろう。またWowgoのサイトではバッテリー容量を明確に伝えずサムスン30Qセルを使っていることだけを記載している。ようは容量が少ないわりに値段が高いことを知られたくないからだ。大してメリットがない高電圧(このクラスのボードでは)をアピールしつつも、容量が少ないという都合の悪い部分は隠しているようにしか見えない。

どちらか選べと言われたら私なら間違いなくX1を買うだろう。

ベルトドライブに関して言えば、ウィールサイズやらギヤ比で最高速やトルク特性を変更できる。とくにこの辺のミドルクラスなら10sと12sの差をこれで充分に埋めることができる。

カスタムの観点から見ても改造しやすいのは10sベースのボードだ。安いVESCであるFlipsky FSESC4.2Plusは12sまで使えるということになっているが、12sだとトラブルを起こしやすく、安定して使用できるのは10sだと言われている。12sなら約$100高いFSESC6.6、またはFOCBOX Unityを使うことになる。

ちなみにFOCBOX Unityを買うならアメリカのAmazon.comがオススメだ。配送が早く日本へ配送可能、そして確実に届く。公式サイトは発送が遅くかなり待たされる。

(※ enertionは倒産したのでFOCBOX Unityの入手はかなり難しくなった。2020.3月現在、世界中の何処かの販売店の在庫を探すしかないだろう。)

バッテリーを自作するにも12sは意外にもBMSを見つけにくい。圧倒的にメジャーなのは10sであり、とくに30mm × 60mmのような小さいBMSに関しては12sでは見つからない。先日自作した35E10s4pでは小さいBMSを使用している。

モーターにも12sだと制限がある。購入時に確認すると10sまでしか使えないモーターがけっこうある。とくにハブモーターは10sまで、というのが多い。

結論として最高速50km/h以下のボードなら10sで充分だと思う。このスペックだと12sは自作やカスタムする上ではかえって制限が多い。

では12sってなにが良いのか?というとやはり60km/hオーバーのハイエンドボードの構築だろう。高電圧とKV値の恩恵で最高速が伸びる。バッテリーも多めで積載スペースもそれなりにあるのでBMSも多少大きくても問題はない。モーターもこのクラスになれば12sまで問題なく使える。

理屈や数字だけで言えば12sは優れているかもしれないが、それだけでは割り切れない部分もある。ざっくり言えばハイパワー、ハイスピードのボードなら12s。50km/h以下のボードなら10sで充分だしパーツも安くて入手もしやすいですよ、というのが現時点での私の結論です。

さらに言うとバッテリーを自作する上でも12sは手間が2割増しである。