Backfire mini レビュー

実に悲しい事実がわかった。Shred Lightsは新旧ともに装着できません。

↑ デッキのライザーの部分が内側に凹んでおり、普通にShred Lightsのブラケットを付けるとデッキに当たるからだ。またトラックのネジを取るにもデッキテープを剥がさなければならない。凹んでいるぶん、ハンガーとデッキのクリアランスも狭い。車高は低くなって良いのだが・・・ライトに関しては実に残念。なにか良い方法はないものか・・・

交換可能なバッテリーの外形寸法はおおよそ長さ328mm、幅88mm、上下厚さ27mmくらい。小さいBMSを使えばどうにか自作できそうだ。バッテリーケーブルは14AWG、許容電流30A。コネクタはおなじみのXT60。

充電ジャックは3ピンのもの、GX16-3ピンコネクターだ。電動スケボー定番のDC5.5mm*2.1mmジャックではない。これは10sボード用との差し間違いを無くすための対策かもしれない。

リモコンの出来はかなり良い。しっくり手に馴染む。丸い穴が空いているが、そこに人差し指が自然に上手くフィットする。スロットルダイヤルのホールド感や回した時のバネの固さも適切だと思う。充電ケーブルはUSBタイプC。マイクロUSBのように裏表がないので挿しやすい。

少しだけ走ってみた。意外にもモーターの音が大きい。フォォーと唸る。ギヤドライブ やベルトドライブとは趣の違う音だ。いままで乗ってきたハブモーターボードのなかで1番うるさいかもしれない。

モードはEモード(エコモード)、Sモード(スポーツモード)、そしてターボモードの3種類。SはSLOWではありません。Eモードは初心者用で加速も鈍いが、それ以上にブレーキの効きも甘い。人によっては「うわ〜効かねえ〜〜」となるかもしれない。

Sモード、これがメインになるだろう。まさにリトルダイナマイト。ミニボードでこれだけ加速すれば充分だろ〜、というくらいの加速をする。推測だが12sで85mmのウィール、42km/hの最高速ゆえにモーターのKV値は低めでトルク重視の傾向があるかもしれない。加速フィーリングに不安はない。

そしてブレーキもガッツリ効く。初期入力時はマイルドながら、リモコンのスロットルダイヤルを徐々に回せばリニアにブレーキの効き具合を調整できる。そしてまだそこそこの速度で減速しきってないタイミングで、マックスまでブレーキをかけるとウィールがロックする(そんな感じがする)。いきなりブレーキマックス入力はやめた方が良いだろう。7割くらいまで回せば充分に効く。7〜8割スロットルダイヤルをブレーキ方向に回すことで大方減速を済ませて、最後にビシッと止まりたいタイミングで9〜10割まで、もう一押し的に回す感じだ。自動車や自転車のブレーキと同じ感覚で使うと良い。これら同様、いきなりブレーキをマックスに掛けないのと同じだ。

逆に言えばロックすることでズルズルと引きずるから前に放り出されないのかもしれない。グリップしすぎるとブレーキが効きすぎたときに前に放り出されて転ぶ。昔の中華ボードにはそういうものが沢山あったが、このBackfire miniはそれとはまた違うのだ。カックンブレーキで前に放り出される恐怖は無い。

ターボモードはSモードよりさらに加速が鋭くなるが、別にいらないかな?と感じた。Sモードで充分すぎる。少し走っているうちに勝手にSモードに戻っていた。おそらくターボモードは制限時間付きなのだろう。

乗り心地に関しては振動吸収グリップテープのおかげか足にはそこまで振動が伝わらない感じだ。グレーチングの上を通過するとあきらかに「ジィーー!」とやかましい音がしてデッキ全体が振動をモロに受けてるのに、足には振動が大きく伝わらない不思議な感覚だ。しかしこの手の障害物的なものは避けるに越したことはない。ハブモーターに加えてカーボンユニボディデッキ。これはもっとも振動や衝撃を受けやすい構成ゆえ、余計なトラブル回避や内部機器の保護の観点からも路面の悪いところを走るのは出来る限り避けた方が無難だろう。

ブレーキの件といい、この乗り心地の件といい、また小石などの走破性も考慮して96mmウィールへの載せ替えはアリかもしれない。ウィール径を大きくすることにより乗り心地が良くなりブレーキもよりマイルドになるだろう。

ボード全体の印象としては、やはりセカンドボードでありメインにはならない感じはある。気軽に持ち歩く相棒としては良いだろう。パワー的に我慢を強いられる感じはないが、路面状況においては我慢を強いられるシーンは多々あるだろう。初めて電動スケボーを買うならばBackfire miniは少しお勧めしかねる。はじめは大きいウィールのロングボードで安定感と乗り心地、より大きなバッテリー容量の恩恵を受けながら楽しんだほうが良いと思う。

過去に散々いろんなボードを乗り回した人がセカンドマシンとして、特性をわかったうえで買うなら良いだろう。パワー的にはとくに不満なし。これだけ軽いボードでこのパワーは衝撃的ですらある。気軽に運べる部類でありながらパワーをまったく妥協していない。6kgのミニボードがその辺のロングボードと同等、下手したらそれ以上の加速力を見せつける。個人の経験値やミニボードのわりに強烈な加速に対する恐怖耐性の面において、乗り手をけっこう選ぶ感すらある。

公園等でのんびり走るタイプでもない。クルージングするほどバッテリーが大きいわけでもない。路面をけっこう選ぶ。これはレジャーボードではなく、軽さとパワーを生かした究極のラストマイルの手段というところか。乗り心地とかバッテリー容量云々を言うのはナンセンスであり、近距離のA地点からB地点まで素早く効率よく移動するための手段という感じだ。移動の途中に階段などがあっても軽さを生かして持ち運べばいい。遊びではなく移動という用をこなす道具としては相当に良いはずだ。

重さ6kg、最高速42km/hで走れる電動スケボーが$500〜$600くらい。効率と合理性の極地だろう。

「ちょっくらコンビニ行ってくる。」

「自販機へジュース買いに行こ。」

舗装具合も交通量も知り尽くした勝手知ったる自宅近隣でこれが出来る国ならば、ものすごく良いボードだろう。軽いからサッと出せる。これこそがBackfire miniの良さを1番生かせるシチュエーションだと思う。

また、仮にそのような用途に使うことがあったとしても、ここまでのパワーは要らんでしょう、という人がいても不思議ではない。

ちなみに私はこのパワーを気に入りました。ストレスがまったくない。軽いのにこのパワー、大いにアリです。ブレーキも気に入りました。使い手に委ねられるストッピングパワー。ブレーキが効かない前提で遠慮がちに走るということがない。ガーンと走ってガツッと止まる。過去のミニボードは動力性能において妥協の産物、またはミニを名乗るわりに重いかのどちらかだった。Backfire miniはパワーと軽さの両立という見方をすれば過去最高のボードだと言える。ついでに操作性も良好。しかし2018年のホビーウイングESCとは少し違う。初期入力のマイルドさを保ちながらけっこうアグレッシブというかパンチのある特性に進化していた。2018年のホビーウイングESCはよく言えばマイルドで万人向け、悪く言えば少し退屈だった。

結論としては乗り手もだが、シチュエーション的に使い手も選ぶボードだと思う。良いと感じる人には良く、ダメだという人にはダメ。とくに路面が悪いところを走るのはオススメできない。万人受けはしないだろう。

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