BMSとバッテリーのセルバランス

Bio boardsからメールが来た。バッテリーの扱いと充電のやり方についてユーザーに宛てたメールである。

基本的に充電器は、充電器のLEDが赤い時が充電中、充電が終わるとLEDが緑色になる。

そこで半端な充電をした場合。例えばLEDがまだ赤色なのに充電プラグを抜いてしまった場合。これはセルバランスが崩れる原因になるという。

セルバランスについてはこちらBMSの項目を参照。

そこで、Bio boardsでは(Bio boardsに限らずすべてのボードに言えることだが)充電器のLEDが緑になっても8時間は充電プラグを挿したままにすることを推奨している。8時間は目安であり、バッテリー容量が大きいボードは長め、小さいボードは短めで良いだろう。

緑色になったときが基本的には満充電。しかしBMSがセルのバランスを取るのはそこから先の時間である。毎回これをやる必要はないが、たまにやると良いだろう。

BMSがセルバランスを取るのは非常に遅く、時間がかかる。市販のボードで1並列4〜14Ahはあろうバッテリーに対してバランス電流は84mAとかそんなレベルだ。12時間挿しっぱなしでようやく1Aの修正である。ちなみにBio board Thoriumの標準バッテリーは18Ah(サムスン30Qの6p)

また充電器のLEDが緑色になる条件は、いくつかの並列のうち、ひとつが4.2V〜4.25Vに達したときである。残りの並列が4.0Vだろうが3.9Vだろうが、とりあえずはLEDは緑色になる。これが長く使っているうちに「残量が100%じゃないのに充電が止まった」という現象のひとつの原因であり、セルバランスが崩れている可能性がある。もちろん壊れかけてる可能性もあるが。

そして走ることで放電し、すべての並列が4.1V以下になるとBMSが再度充電再開のシグナルを充電器に出す。ゆえに充電器のLEDが緑になったら、その直後にいくらプラグを挿しなおしても赤にはならないのである。ある程度放電させないと充電再開のLED赤点灯にはならない。

セルバランスが崩れたとしても、充電器LED緑色状態で挿したままにすれば、何時間後・何十時間後にはキッチリ平均4.2Vの完全な100%状態になるのか?残念ながらそうならない・・というか、なった事がない。

(※完全な100%という表現において、残量を示すパーセンテージは電圧計の設定や、VESCのアプリ設定、メーカーにより若干基準が異なる。4.15Vでもまだ100%とみなすものもあれば、98%などと表現する物もある。)

すでに充電が停止して緑色LEDになっているというのがひとつ。

もうひとつ、BMSにはアクティブ式とパッシブ式がある。アクティブ式は電圧の大きい並列が、電圧の小さい並列に分け与えることにより平均化を図る。

パッシブ式は電圧の大きいセルを放電して低いほうに合わせる形で平均化を図る。

電動スケボーのBMSは後者のパッシブ式である。パッシブ式のほうがコストが安い。電圧が低いほうに合わせるので完全な100%にはならないかもしれないが、大きくバランスを崩すこともない。充電完了後の緑色LEDの時でもBMSが温かい場合は、バランスを取るために並列間の差分を放電しているためである。

以上のことからバッテリーを適切な状態に保つ方法としては

・たまには緑色LEDのまま充電プラグを挿しっぱなしにしてセルバランスを取る。これをやるなら走る日の前日からやるのが望ましい。

・しばらく乗らない時は50%程度で放置。満充電状態は当然良くないとして、平均4.0V以上での長期保管はバッテリー寿命を縮めるので避ける。

・赤色LED状態の充電途中で充電を止めるのは極力避ける。少しくらいならまだしも、常習的にこれを繰り返すとバランスを崩す。

・室温で保管するのが望ましい。寒すぎてもダメ、暑すぎてもダメ。

こんなところだろうか。