リモコン改

リモコン、これが人によって好みがかなり細かく分かれる。親指でホイールを回すタイプが好きな人もいれば、人差し指でトリガーを動かすのが好きだという人もいる。EvolveのCEO、Jeff Anning氏は人差し指トリガー派で有名だ。

私は親指ホイール派だが、ホイールに親指を引っ掛けられる突起が付いているタイプを好む。私はEvolveに乗るとき、本来人差し指トリガータイプであるGTリモートを裏表ひっくり返して親指で動かしていた。リモコンの液晶画面が見えなくなるが、それよりもフィーリングを優先したのだ。

私はリモコンの操作フィーリングにけっこうこだわる。自分に合わないリモコンはあまり使いたくない。修正出来そうなものは自力でカスタムして使う。

↑ Maytechのリモコン。左がノーマル、右はスロットルを3Dプリンターで作ったもの。すこしスロットルの動き(バネ)が固いと感じたので、1〜2mmくらい突き出し量の多いデザインに変えた。スロットルの突き出しが多くなるほど、テコの原理で操作が軽くなり、ストローク(可動域)が増える。軽い操作感と、より精密な操作が可能になる。

そして今回、最近人気のFlipsky VX1もスロットルをカスタムした。私の感触としては、純正は操作感が少し固く感じ、なおかつ突起の突き出し量が少なく、突起の位置も少し悪かった。私にとっては突起の位置がすこし遠い。

↑ 上段が純正ノーマル、中段の5個は試作品、下段が最終カスタム品。突起の突き出し量をわずかに増やし、位置もかなり下寄りに変えた。

↑ 右の最終カスタム品はCの字の部分もわずかに形状を変更している。リモコンのケースに干渉しないように調整をした。突起もアクセルオンで上に押しやすく、ブレーキで下に引きやすくする形状と位置にした。

↑ 手前が純正ノーマル、奥が最終カスタム。

「たいして変わんねえだろ、こんなの」

いや、ものすごく変わる。ハイスピードボードに乗るにあたり、突起と親指がしっかり引っかかることは重要だ。指がわずかに滑って0.5mmでもスロットルが意図せず動けばボードは確実にそれに反応する。固いという違和感もダメだ。バネが強くて滑りを誘発するという懸念がアクセルを開けさせなくする。

スロットルの突起の位置が自分の指と合わないのも当然ダメ。脳と直結するかのようなドンピシャな操作をするにはこれが重要。車でハンドルやシートの位置を調整するのと同じだ。ロードバイクだってフレームのサイズを決め、サドルの高さを調整し、コラムスペーサーでハンドルの高さを決め、さらにはハンドルの形状にまで拘り、グリップテープですら各個人のお気に入りがあるだろう。ロードバイクと自身の身体を完全にフィットさせるわけだ。これに比べればリモコンのスロットルをチョロっと変えることなど大したことではないと思う。ママチャリでもサドルの高さくらいは変える。使うものを自分に合わせるというのは大事だ。

究極的には「何も違和感を感じず、なにも意識せず本能のままに思い通りに操作できるリモコン」が理想だと思っている。そしてVESCで出力を調整して、自分に合うデッキを使い、完全に自分の感覚とフィットするボードを構築する。これが最高に気持ちよく楽しいボードだと思う。

かなりマニアックな話になったが、色々なリモコンを使うほど、こういう感覚になるかもしれない。私が不器用でリモコンに本人が合わせることが出来ないだけかもしれない。

今回の投稿は

「こんな奴もいるんだね」

「俺もすこしリモコン弄ってみるかな」

くらいに思っていただけたら幸いです。