中華ボードの猛攻は止まらない

いままで散々書いてきたが、初心者から中級者までおススメは最新の中華ボードだと言ってきた。中華ボード躍進のブレイクスルーは何か?これは「ホビーウイングESC」だろう。

前回の投稿でオススメした5台の中華ボードはすべてホビーウイングESCだ。滑らかな操縦性、人によってはboostedすら上回ると評判の出来である。かつてゴミだの低品質だの言われていた中華ESCの姿はない。中華ボード最大の欠点は2018〜2019年にかけて完全に克服されたのだ。

これによりboostedの専売特許とも言えるセパレートタイプ(バッテリーを前方、ESCを後方に分割して取り付けることによりデッキに柔軟性を持たせたタイプ)のカテゴリーは完全に中華ボードが席巻したと言える。性能と価格の両面でboostedを打ち負かした。

中華ボードの次の標的は明らかにEvolveである。

ATタイヤ、ダブルキングピントラックというEvolveの様式を真似たものを次々にリリースしている。Own boardからリリース予定のCarbon AT(仮称)はまるっきりEvolveだ。

↑ これがOwn boardが開発中のカーボンAT。リバースキングピンのストリートモデルに改造しても面白そうだ。車高が低いスピードマシンになるだろう。

ほかにもBackfire Ranger X1Wowgo ATMeepo City Riderなどがある。

Meepo City Riderだけはリバースキングピントラックで、その名の通りATというよりゴムタイヤで街中でも快適な乗り心地のマシンという趣きだろう。

この中華連合によるEvolve包囲網の共通点はすべてバッテリー容量が504Wh、セルはサムスン35Eだ。バッテリーパックの組み立て方は違うものの、使用セルと容量までもEvolve GTRと同じなのである。

業界2大巨頭に襲いかかる中華ボードの猛攻。いま私が「boostedは割高なのでオススメしません」というセリフを、近い将来「Evolveは割高なのでオススメしません」と言う日が来るのでは?という予感なのである。

Evolveのウリである「2 in 1」は1台のボードでストリートウィールとATタイヤを相互に交換できるというものである。2 in 1を買えばアスファルトも砂利道も、どちらも楽しめますというアイデアだ。素晴らしい!しかし中華AT連合の出現により、このアイデアの優位性が失われようとしている。

私もEvolveを3台買ってきたのだが、この2 in 1のウィール交換の作業はハッキリ言って「めんどくさい

タイヤ(ウィール)の口径が異なるのでギヤ比を変えるためにギヤ(プーリー)とベルトの交換もしなければならない。またベルトの張り具合もその都度調整しなければならない。ただタイヤを入れ替えているだけではないのだ。

こんな作業は1〜2回もやればそのうちどうでもよくなってどちらかに固定になるだろう。そんなに頻繁に交換などしないのである。それなら前回の投稿で紹介したセパレートタイプの最新中華ボードを1台、そして今回紹介した中華ATボードの1台、合計2台体制にすれば良いのである。

Evolve 2 in 1の1台と中華ボード2台、合計の金額は大きく変わらないのだ。Evolveの優位性は今後、相当に揺らぐと私は予想している。

そしてこの中華AT連合は思いがけないもうひとつの恩恵をもたらすかもしれない。それは504Whのバッテリーを別売りで販売するかもしれないのだ。事実、Wowgoではバッテリー単体で販売している。

これの何が恩恵なのか?自作に使えるのだ。ATは電費が悪く、同じバッテリー容量ならストリートモデルに対して3〜4割ほどレンジが悪化する。なのでATは大容量バッテリーを採用しているのだ。このバッテリーをストリートウィールのモデルに転用すればかなりの距離を走れるボードを作れるだろう。ひょっとしたら中華メーカーが自らそういうモデルを出すかもしれない。

Evolveの行く末はどうなるのか?GTRシリーズに関しては個人的には少し失望している。スペック的には前作のGTXとさほど大きく変わらない。ダブルキングピントラックは電動スケボーにおいてはEvolveの専売特許だったが、同時にトップスピードを殺す欠点でもあった。ダブルキングピントラックを採用する限り、トップスピードアップという、わかりやすいスペックアップができない。これを使う限りトップスピードは40km/h近辺である。厳密に言うとトップスピードは上げられるが、安定性を欠いた危ういボードになるだけだ。

GTRシリーズはかなりの資金を投入して開発したことは見てわかる。しかし性能的優位性はあまり無い。boostedの3代目は前作のブラッシュアップという形でデビューしたが、この世界はブラッシュアップはインパクトが弱すぎる。結果として1年も経たずして中華ボードに追い抜かれてしまった。Evolveはどうなるのか、今後も注視していきたい。